技術伝承の課題は大きく4つ。若手育成に役立つ継承のコツとマニュアル

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目次

製造業界で深刻な問題となっているのが労働者の高齢化です。現場で安定的に高品質な技術を維持するためには、卓越した技術を有する高齢技術者から若手への技術伝承を進めなければいけません。

ところが、「技術伝承が上手くいってない……」「技術伝承の課題を解決できる方法を知りたい……」という企業が多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、技術伝承について以下の内容をお伝えします。

  • 技術伝承の課題・問題
  • 技術伝承問題を解決するコツ
  • マニュアルを活用するポイント

最後に、技術伝承を効率よく進めることができる「動画マニュアル」についてもお伝えしますので、参考になれば幸いです。

「Photron-Mobile Video Creator(MVC、フォトロンモバイルビデオクリエイター)」なら技術伝承に役立つ動画マニュアルを簡単に作成できます。

技術伝承とは?「技能伝承」との違いも

技術伝承とは、正しい製造方法や効率的な手順など、熟練技術者が培ってきた技術・スキルを次世代に伝承することです。

高度な技術を伝承する場合、受け継ぐ技術者も一定のスキルが必要ですが、教える立場の熟練技術者が上手く教えられない背景もあります。マニュアルや手順書などはあっても表面的な内容が多く、熟練技術者のカン・コツの部分まで伝えられていません。

なお熟練技術者がカン・コツで作業する部分は、厳密に言うと「技能」であり「技術」とは異なります。

  • 技術:方法や手順などのやり方
  • 技能:その技術を実現できる能力

厳密にはこのような違いがありますが、伝承では技術・技能を合わせて伝えることも多いです。技能伝承の基礎知識については、こちらの記事でも紹介しているので一度読んでみてください。

>>「技能伝承とは?現状の問題点やDXで課題解決する2つの方法を紹介」

それでは、技術伝承には具体的にどのような課題があるのでしょうか。

技術伝承が抱える4つの課題

ここでは技術伝承が抱える4つの課題を紹介していきます。

  1. 熟練技術者の高齢化が進んでいる
  2. 技術を伝承する時間が十分に取れない
  3. そもそもマニュアルに落とし込むのが難しい
  4. マニュアルがあるが上手く活用できていない

1.熟練技術者の高齢化が進んでいる

熟練技術者の高齢化によって技術伝承がされないまま定年退職することが問題となっています。2022年現在も、2007年問題の影響を受けているといえます。

「2007年問題」とは何か。2007年は団塊世代が大量に定年退職を迎えた年です。団塊世代が培った技術やノウハウの伝承が追いつかず、生産性の低下を招くのではないかと懸念されたこと。これが2007年問題です。

特に製造業では属人化している技術・ノウハウが多いので「熟練技術者の技能・ノウハウをどのように次世代へ伝承していくか」が課題となっています。

2.技術を伝承できる時間が十分に取れない

若手や中堅の人が、ベテランの仕事ぶりを目で見て盗むのは簡単ではありません。そのため、技術伝承にはマンツーマンで丁寧に指導する時間が必要です。

技術伝承のためにOJTを実施することはよくありますが、人材不足によって余裕がなくなり、OJT教育に十分な時間を確保することが難しくなっています。

特に近年は、働き方改革により労働時間が削減されている傾向です。目の前の業務や生産ノルマをこなすことで手一杯になり、業務時間中に技術伝承や勉強に時間を作りにくくなっています。

3.そもそもマニュアルに落とし込むのが難しい

技術を文字や言葉で伝えることが難しいのも課題のひとつです。

昔は経験者の勘や感覚といった技術を「技は盗むもの」という風習があり、同じ職場で働くうちに無意識的に共有されてきました。しかし時代の流れもあり、現代は丁寧な教育環境が好まれるので、昔の風習が通じなくなってきています。

また、技術をマニュアル化する発想がなく、いざマニュアルを作成しようとしても方法が分からないという場合もあります。

4.マニュアルはあるが上手く活用できていない

マニュアルがあっても技術伝承がスムーズに進むとは限りません。そもそもマニュアルに熟練者のカン・コツが盛り込まれていなかったり、読むだけでは結局分からなかったりするため使われないのです。

マニュアルで技術を残そうとしても、次世代に定着させるための取り組みを実施しなければ技術伝承はなかなか進みません。技術伝承の際は、教育システムやマニュアルの活用方針も定めるなど仕組み作りが大切です。

ここまでで技術伝承の課題をご紹介しましたので、次はどのように解決すべきか見ていきましょう。

技術伝承の問題を解決する4つのコツ

ここでは技術伝承の問題を解決する4つのコツを紹介します。

  1. 熟練技術者のノウハウを動画として残す
  2. 集めたノウハウを伝える仕組みを作る
  3. 熟練技術者と若手がコミュニケーションを取り合える時間を作る
  4. マニュアルで自主学習を促し教育時間の短縮を図る

1.熟練技術者のノウハウを動画として残す

技術伝承で共有される情報は「形式知」「暗黙知」の2つがあり、動画を活用することで伝えやすくなります。

  • 形式知:作業の具体的な手順など、言葉で表せる情報
  • 暗黙知:長年の経験や直感に基づく判断など、言葉で表しにくい情報

形式知は整理すればまだ伝えやすい情報ですが、暗黙知は言葉に表しづらいため伝えることが難しいです。暗黙知のような情報を、他の技術者が理解できるように見える化するのが動画の役割です。

動画なら熟練技術者の目線・行動・スピード感といった言葉で表しにくい情報を、目に見える形で残せます。

2.集めたノウハウを伝える仕組みを作る

熟練技術者から集めたノウハウをマニュアルにまとめておくだけでは、ただの資料にしかなりません。大切なのは、集めたノウハウを実際に受け継ぎ使ってもらうことです。

ノウハウを次世代が吸収するために、OJTで実際に取り組んで覚えてもらったり、社内オンライン学習を取り入れたりすることが考えられます。

オンライン学習は、従来口頭や対面で教えていたことを、スマホで学習動画を見られるようにするなど効率的になります。

3.熟練技術者と若手がコミュニケーションを取り合える時間を作る

技術伝承では、熟練技術者と若手が積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。

熟練技術者と若手がコミュニケーションを取ることで、経験談や一歩踏み込んだ話を聞けることもあり、カン・コツといった感覚的な部分を理解することにもつながります。

技術を次世代に引き継ぐために、マニュアルや手順書といった資料は必要です。しかしマニュアルがあるからと安心するのではなく、若手と熟練者が一緒に作業する時間をとるなど、意識的に技術伝承の時間を増やしていく必要があります。

4.マニュアルで自主学習を促し教育時間の短縮を図る

マニュアルを用いて従業員に自習をしてもらうと教育時間の短縮に繋がります。

ベースとなる知識が頭に入った状態でOJT教育を行えば、作業の再現性が容易になります。作業をおこなった後に不明点や忘れてしまった部分があれば、再びマニュアルで確認することも可能です。

自主学習のサイクルを作れば、効率的に技術伝承を進められます。ベースとなるマニュアルを作っておくことで、人によって作業のバラつきが生じることも少なくなります。

技術伝承にはマニュアルが欠かせない存在ですが、使い方を工夫することで技術伝承をさらに上手く進められます。どのように活用すべきかポイントを見ていきましょう。

技術伝承でマニュアルを活用する2つのポイント

マニュアルを活用するポイントは以下の2つです。

  1. 画像や動画を使って誰が見ても分かるようにする
  2. 改善点や最新のノウハウはすぐに反映する

1.画像や動画を使って誰が見ても分かるようにする

暗黙知は言語化できないので、テキストのみの紙マニュアルでは伝わりにくいです。文字だけではなく画像や動画を用いて、言語化が難しい内容が伝わるようにしましょう。

画像や動画を使ったマニュアルなら、熟練技術者が一から技術を書き起こして紙マニュアルを作成する必要がありません。動画や写真を撮影すれば比較的簡単に作成できるので、技術伝承の資料作成の時間も短縮できます。

2.改善点や最新のノウハウはすぐに反映する

技術伝承をおこなう中で改善した方が良い部分や気付きが出てきたら、マニュアルにも早めに反映しましょう。非効率的なやり方のまま伝承されることを防ぎ、現場全体の作業効率や品質アップに繋げられます。

会社としてもより役立つノウハウが形となり蓄積されます。もし熟練技術者が突然病気になったり、退職したりした場合などもノウハウがあるので問題なく対応できるでしょう。

ここまでで、マニュアル作成が技術伝承では重要なことであるとお伝えしました。さらに言うと、紙マニュアルより動画マニュアルの方が効率的に伝えられるのでおすすめです。

効率的な技術伝承には動画マニュアルがおすすめ

動画でマニュアルを作成することで、細かい動作まで表せます。自分が作業する場面を映像としてイメージしやすくなり、スピーディな習得につながります。

法人向けの動画作成アプリを導入した芝浦機械株式会社では、動画マニュアルを活用し、職場全体の技術伝承を進めることに成功しています。

利用した動画作成アプリ「Photron-Mobile Video Creator(MVC、フォトロンモバイルビデオクリエイター)」は、スマホ/タブレット1台で撮影から動画編集まで可能です。そのため、動画作成に慣れていない現場でも、技術の撮影から動画編集までスムーズにおこなえました。

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動画マニュアルや研修のメリット・デメリットついて知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
>>動画研修のメリット・デメリット!研修動画の参考例や導入方法も紹介

まとめ:動画マニュアルを技術伝承に活かそう

今回は技術伝承の課題について取り上げました。あらためて内容をまとめます。

  • 熟練技術者の高齢化が進んでいる
  • 技術を伝承できる時間が十分に取れない
  • そもそもマニュアルに落とし込めのが難しい
  • マニュアルはあるが上手く活用できていない

技術伝承におけるこれらの課題を解決するには、動画マニュアルがおすすめです。技術・技能の見える化を動画マニュアルなら実現できます。

また、コロナ禍でOJTでの指導が難しい状況になったことから、従来の教育のやり方を見直し、動画による指導に力を入れる企業も増えています。

Photron-Mobile Video Creator(MVC、フォトロンモバイルビデオクリエイター)は動画マニュアル作成が可能なアプリで、1ヶ月の無料トライアルを実施中です。本記事を参考に、熟練技術者のカン・コツを「見える化」してみましょう。

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