ハイスピードカメラと「部活」:川崎市立川崎高校科学部篇

川崎市立川崎高校様 科学部の実験に当社のハイスピードカメラをご使用いただきました。行われた実験「 on固散浸(おんこちしん)〜固体上で繰り広げられる液体のドラマ〜」は全国の高校生による芸術文化活動の祭典、『全国高等学校総合文化祭※』にて、自然科学部門で「奨励賞」を受賞されました。
技術・製品・サービス 働き方・教育・制度 パートナーシップ・共生・地域貢献
貢献する主なSDGs(持続可能な開発目標)


川崎市立川崎高校様 科学部とは
川崎市立川崎高校 科学部は、「目指せ 科学の新天地」を活動目標に掲げ、「身近な現象なのに実はよく解ってない」ことに着目して研究解明している部活です。
[過去の実験例]
・純白のインベーダー:味付きゆで卵の研究
・柔よくカボチャを制す:カボチャが煮えることの研究
・煮え切らないヤツも煮っ凝:野菜が煮えることの研究
実験の詳細と先生・生徒の感想
今回は、川崎高校の校舎内で環境を構築した上で実験を行い、その模様をハイスピードカメラで撮影。実験の詳細および感想を、先生・生徒からお聞きしました。
「 on固散浸(おんこちしん)〜固体上で繰り広げられる液体のドラマ〜」について
未だ先行研究のない「水滴が落下して固体に衝突した時に生じる「落下痕」の生成メカニズム」について研究が行われました。当社の ハイスピードカメラで水滴が落ちる様子の動画を科学部の学生が撮影から分析まで実施し、トゲ(落下痕の円周に接する突起)の生まれ方の規則性を見つけました。
ハイスピードカメラで撮影した実験動画
ハイスピードカメラの活用により得られたこと
●落下痕の規則性とでき方を考察することができました。落下痕の規則性はトゲの長さは増加後、一定の高度から変化がないことです。
●落下痕のでき方においては飛び散りにおけるトゲの角度は落下速度が増えるにつれて大きくなることが明らかになりました。
※落下痕:固体に液体を落下させるときに生じた痕跡です。


先生の感想
まず本格的なハイスピードカメラをお借りしました㈱フォトロンに感謝いたします。
落下痕のでき方を明らかにするためにはこのハイスピードカメラが必要不可欠でした。初めて扱うハイスピードカメラでしたが、生徒にとっても良い経験となったと思います。機材をお借りしてから実験まで短期間の中で「撮影方法」や「調光の調整方法」「データの保存・解析」等についてお教えいただいたことも大変助かりました。プロの方にお教えいただけて、生徒も嬉しかったと思います。
生徒は今までハイスピードカメラを用いる実験はありませんでしたが、担当の方が丁寧にお伝えいただけるので、生徒もすぐにカメラを扱うことができました。また、収集した実験データを解析する作業においてもフォトロンのソフトウェアを活用の方法も丁寧にお教えいただけたので、光の最終調整などを行いながらデータを保存することができました。
実験は5月から8月まで行いましたが、担当の方に質問などを連絡するとわかりやすく質問の回答をただけたので、大変助かりました。8月の総合文化祭で賞を受賞できましたのも、ハイスピードカメラの結果をもとに考察ができたからと思います。非常にやるべきことが多く生徒にとっては大変だったかもしれませんが、本格的なハイスピードカメラを使用できることがモチベーションとなったのか、最後まで集中して実験を行うことができました。
大会が終わったばかりですが、生徒から「11月の神奈川県高文連理科部研究発表大会に向けてハイスピードカメラを借りてまた実験したい!」とのことで、実験を継続しています。
また本校の科学部の他研究では「空気中の浮遊塵」の研究において、浮遊している塵が壁面に付着する様子を撮影することができ、研究の大きな発展的はずみとなっております。
今後ともどうぞよろしくお願いします!
生徒の感想
今回貸していただいたカメラはとてもスペックが高く、肉眼では見えない水滴の動きを観察できました。またそれにより詳細に考察をすることができました。
大会について
※:全国高等学校総合文化祭は、高校生の創造活動の向上と相互の理解を深めることを目的とした芸術文化活動の発表を行う高校生の文化の祭典です。毎年、各都道府県を代表する高校生が約2万人集まります。
川崎高校様は、48回目となる大会に神奈川県の代表として参加しました。自然科学部門の物理分野には45校が参加し、上位8校以上が授与される「奨励賞」を受賞。輝かしい結果を収めました。
受賞した感想
全国大会出場に加え、8位入賞をすることができてとても嬉しく思っています。審査員の方に今回撮影した動画について褒めていただくことができました。 また今回多くの人の前で発表することで、様々な成果を得ることができました。どのように発表したら相手に伝わりやすいか試行錯誤したり、全国各地の高校生が独自にやっている研究を見て自分たちにはなかった考え方を知ったり、どれもとても貴重な経験です。
これらの経験をもとに、動画の分析を進めさらに自分たちの研究を向上させていきたいと思います。最終的に、私たちの研究が多くの人を助けるものになっていたら幸いです。
今後の活動について
今後もさらに実験を重ね、トゲ(落下痕の円周に接する突起)の定義の再確認やより水に近い液体試料の使用、被衝突物や被衝突物の条件を変えた実験を行いたいです。最終的には、本研究はトイレ清掃や、シンクの掃除、犯罪捜査への応用ができると考えています。
身近な現象の謎を解明するための好奇心による研究が、幅広い分野への貢献が期待されます。
当社はこれからも好奇心を一助する存在として携わっていきたいと考えています。
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