RCEMにおける水素燃焼デモ撮影事例の紹介

  • 燃焼
  • 可視化
  • #水素燃焼、解析、試験・測定

目次

「エンジン燃焼試験・解析」において、近年の高熱効率化・低エミッション化、ガソリン代替燃料の適合へ向けたカーボンニュートラルなどの様々な取り組みがある中で、燃焼状態や筒内現象の視覚的な把握は非常に重要な要素です。今回は「RCEMにおける水素燃焼」をハイスピードカメラ FASTCAM Nova S20(カラー)、Pharsighted E9・100S(モノクロ)、赤外線ハイスピードカメラ FLIR X6981-KIS(IR)を使用して撮影した事例をご紹介します。本撮影は、(株)サステナブル・エンジン・リサーチセンター/千葉大学工学部 森吉・窪山研究室協力の下、同社の試験装置において実施しました。

RCEM … Rapid Compression and Expansion Machine(急速圧縮膨張装置) 「圧縮」と「膨張」のみ模擬することで、燃焼初期条件(燃料種、燃料濃度、圧力、温度など)を任意で指定し、外乱をできるだけ除外した内燃機関の純粋な燃焼を評価することができる装置。

試験条件

撮影結果

空気過剰率λ = 2の条件(通常燃焼)
※ 画像はトリミングしてサイズ感を合わせ、再生スピードも同期して表示しています。

Nova(カラー)とPharsighted(モノクロ)でフレームレートを合わせて撮影すると、Nova(カラー)では水素の火炎伝播を捉えることは出来ていませんが、Pharsightedではゲインを上げなくても捉えることが出来ています。また、火炎帯近傍に形成する皺状火炎帯の輪郭も薄く捉えられることが確認できています。FLIR(IR)では放射輝度分布を明瞭に得ることが出来ています。

空気過剰率λ = 1の条件(ノッキング燃焼)

※ノッキング…強い圧力振動(衝撃波)を伴う異常燃焼のことで、火炎伝播中に未燃ガスが自着火することで発生します。

ノッキングの条件では、火炎帯前方の未燃部における自着火を捉えることが重要ですが、Novaと同じ解像度にした場合、Pharsighted(モノクロ)は20万fps(シャッタースピード:5μ秒)が可能で、そこから更にS/Sを0.25μ秒まで短くして撮影することで壁面近傍のエンドガスノックの連鎖的な発生を超スローモーションで捉えることができました。

水素燃焼は通常強い可視光を発しないため、火炎を視認し難いと言われていますが、実際には水素の火炎は弱い可視光を発しており、暗所では青く光ることを視認できる場合もあります。その光は連続的なスペクトルを有することから、青い連続帯(blue continuum)と呼ばれます。今回、Pharsightedを使った撮影では、この青い連続帯または700 nm付近のH2O の波長を高感度で捉えることができました。

Emission spectra in typical hydrogen–air flames: (a) premixed H2–air jet flame showing measured spectral peaks from ultraviolet to near infrared

(出典:R.W. Schefer, W.D. Kulatilaka, B.D. Patterson, T.B. Settersten, Visible emission of hydrogen flames, Combustion and Flame, Volume 156, Issue 6, 2009,Pages 1234-1241)

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