ハイスピードカメラの価格帯は?選び方のポイントを徹底解説
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ハイスピードカメラは、肉眼では捉えきれない瞬間を鮮明に記録できる機材です。しかし、価格帯は数万円から数千万円まで幅広く、使用目的に応じた選び方が重要です。
この記事では、ハイスピードカメラの価格帯ごとの特徴や、選ぶ際に押さえておくべきポイントを解説します。これからハイスピードカメラの購入を検討している方は是非とも最後までお読みください。
ハイスピードカメラの価格帯
目にも止まらぬ動きを撮影し、スーパースローモーション映像で確認できるハイスピードカメラ。自分が知っているはずの動きなのに、見たこともない複雑な動きをしていたり、、スローモーション映像は見ているだけでも面白く、新たな発見が隠されていたりもします。
一昔前までは数千万円と言われていたハイスピードカメラですが、実際はいくらぐらいで入手できるものなのか、価格帯や選定に関してまとめましたのでご参考にしていただければ幸いです。
個人向けカメラの価格帯
ハイスピードカメラの個人向けモデルは、主に趣味や教育目的で使用されることが多く、価格帯は数万円から数十万円程度が一般的です。
エントリーモデルは、基本的な機能を備えており、初心者でも扱いやすい設計がされています。価格帯は、約5万円から10万円となります。
中級モデルになると、より高いフレームレートや解像度を持ち、プロフェッショナルな撮影にも対応できる機能が追加されます。価格帯は、約10万円から30万円となります。
高性能モデルは、さらに高いフレームレートや解像度を実現し、特に科学実験やスポーツ分析など、専門的な用途に適しています。
高性能モデルのカメラは、プロフェッショナルな映像制作を目指す方にとっては魅力的な選択肢となります。価格帯は、約30万円以上となります。
業務向けカメラの価格帯
業務向けのハイスピードカメラは、主に研究開発や製造業、映像制作などのプロフェッショナルな用途で使用されます。このため、性能や機能が求められることから、価格帯は数十万円から数千万円に及ぶことが一般的です。
例えば、基本的な機能を備えた業務向けカメラは、約30万円からスタートします。この価格帯のカメラは、一般的なスローモーション撮影や、簡単な実験に適した性能を持っています。
一方で、より高性能なモデルになると、100万円以上の価格帯に突入し、解像度やフレームレートが大幅に向上します。これにより、より詳細なデータ収集や、複雑な動きの解析が可能になります。
ハイスピードカメラは2種類(民生用、産業用)
ハイスピードカメラというと、研究や映像作品を作るような産業用の他に、近年はデジカメやスマホといった民生品でもその機能があります。ここでは、それぞれについて記載します。
民生用(デジカメ、スマホ)
皆さんが普段お使いのスマホやデジカメにもスロー撮影機能が備わっている機種も増えてきました。中には撮影したことがある方もいるかと思います。
スマホやデジカメのスロー撮影機能では60fps〜240fpsの撮影速度域が多く、手軽に撮影できることが魅力です。
中には500fps〜1,000fps以上の撮影もできる本格的な民生用ハイスピードカメラもあるようです。
これらの民生用ハイスピードカメラの価格帯は、数万円〜数十万円程度が多いです。
産業用と比較すると、安価で手軽さが魅力です。
専門的な撮影や画像解析を伴わないような “少し速い現象のスローモーション観察” には十分使えることもあるでしょう。
産業用
株式会社フォトロンで製造・販売しているような産業用ハイスピードカメラは主に撮影速度1,000fps以上の性能を持っています。
大学や研究所での実験、自動車メーカーでの衝突実験、工場での製造時に起こるチョコ停観察など、挙げればキリが無いぐらいに沢山の用途でご使用いただいています。
この産業用ハイスピードカメラの価格帯は、数十万〜数千万円と幅広くなっています。
製品価格は主に製品仕様に依存します。
一般的には最高撮影速度が高い機種、画素数が多い機種ほど価格が高くなります。
フォトロンのハイスピードカメラも性能別に数十万円〜数千万円の製品を揃えていて、ボリュームゾーンとしては数百万円となっています。
フォトロンではレンタルサービスや受託撮影サービスも行っております。
機種にもよりますが一週間10万円〜 でレンタルサービスを展開しております。
ハイスピードカメラの選定のポイント
産業用のハイスピードカメラの購入は、高価な買い物となりますので選定も重要となります。
ハイスピードカメラの撮影性能の違いやデモ撮影・評価貸出について説明します。
ハイスピードカメラの撮影性能の違い
自分の課題にあったハイスピードカメラはどう選べば良いのでしょうか?
例えば、「12,000fpsで撮影できそう」ということが分かっている時にどの機種を選定すれば良いのかを切削の画像を使って簡単に説明します。
下の画像をご覧ください。青枠と赤枠がありますが、違いは以下のとおりです。
青枠)FASTCAM Nova S12
撮影速度:12,000fps、解像度:1024×1024画素
赤枠)Mini AX100
撮影速度:12,500fps、解像度:640×480画素

FASTCANM Nova S12(青枠)のほうが、解像度も高く広範囲を撮影できているので切りくずが飛んでいく様もしっかり撮れます。
また、撮影性能やISO感度が高いので更に回転数が上がった場合でも対応が可能ですし、10GBASE-TやFAST Drive(オプション)にも対応しており撮影後のデータをPCへ高速転送することできます。
Mini AX100(赤枠)でも加工のポイントを中心に撮影はできています。空間分解能は落ちて少し粗い画像になりますが、レンズを変えたり、ハイスピードカメラの設置位置を変えることで、青枠のような広範囲を映すこともできます。
本体サイズも小さく、軽量なので加工機の中に設置することも容易です。
ここで、二機種の特長をまとめてみました。優位点を赤文字にしています。
FASTCAM Nova S12 | FASTCAM Mini AX100 | |
最高撮影速度 (フルフレーム) | 12,800fps (1024×1024画素) | 4,800fps (1024×1024画素) |
最高撮影速度 (フルフレーム) | 100,000fps (128×16画素) | 540,000fps (128×16画素) |
12,000fpsでの解像度 | 1024×1024画素 | 640×480画素 |
ISO感度 | モノクロ64,000/カラー16,000 | モノクロ 50,000 / カラー 25,000 |
インタフェース | Gigabit Ethernet (1000BASE-T/10GBASE-T) / FAST Drive | Gigabit Ethernet (1000BASE-T) |
寸法/質量 | 120(W)×120(H)×217.2(D)mm /3.3Kg (突起物、付属品除く) | 120(W)×120(H)×94.1(D)mm /1.5Kg (突起物、付属品除く) |
この表が示すとおり、Nova S12が上位機種であることが分かります。
一方で、Nova S12の定価は Mini AX100のおよそ2倍です。
※メモリ搭載量やオプション、周辺機器によって詳細は異なります。
このように「性能」に注目すれば上位機種を選定することがお勧めですが、「価格」を考慮した場合は中位機種でも十分なケースは存在します。
フォトロンでは豊富な製品ラインアップを揃えておりますので、性能・価格の両面から、お客様の課題に合わせた撮影・解析のご提案を行います。
ぜひお気軽にご相談してください。
ハイスピードカメラのスペック比較の重要性
ハイスピードカメラを選ぶ時は、単に「撮影速度が速ければ良い」というわけではありません。速く撮影すると画質が粗くなる特徴があるため、必要な画質と速度のバランスを考える必要があります。
また、高速で撮影すると光が少なくなるため、暗い映像になりがちです。そのため、カメラの感度(ISO感度)も重要な要素です。感度が高いカメラほど、暗い環境でも明るく撮影できます。さらに、データを保存するメモリの容量や、撮影した映像をパソコンに転送する速度なども、作業効率に大きく影響します。製品ごとの比較表資料も用意しております。ぜひ活用ください。
デモ撮影・評価貸出について
フォトロンでは、無償のデモ撮影や評価貸出を実施しております。お客様の環境で実際に撮影ができるのか、見たい映像は撮れるのかを実際にお試しいただけます。
デモ撮影や評価貸出は重要です。
新規でハイスピードカメラを導入いただくお客様は、ハイスピードカメラ本体の他にレンズや三脚、照明、解析ソフト・・といった周辺機器を”ハイスピードカメラシステム”として一式で導入いただくケースが殆どです。
お客様毎に撮影対象となる実験や装置の環境は異なるため、同じような現象の撮影でもレンズや照明が異なるということはよくあります。
「価格」という文脈では、例えば撮影用のレンズは1本数万円からありますが、特殊なレンズでは数十万円するものもあります。照明や三脚、解析ソフトなども様々ですので、デモ撮影や評価貸出を通じて、お客様にあった最適なシステムをご提案しております。
ハイスピードカメラはスマホよりも高性能なのか?
ハイスピードカメラとスマートフォンのカメラを比較すると、性能面での違いは明らかです。ハイスピードカメラは、特に高速で動く被写体を捉えるために設計されており、通常のカメラでは実現できないフレームレートを持っています。
例えば、ハイスピードカメラは1秒間に数千から数百万フレームを撮影できるため、瞬間的な動きを詳細に記録することが可能です。
一方、スマートフォンのカメラは、一般的に30フレームから60フレームの撮影が主流です。このため、動きの速い被写体を撮影する際には、ブレやぼやけが生じやすく、ハイスピードカメラのような精密な映像を得ることは難しくなります。
産業用のハイスピードカメラを、より低価格で検討されている方は、下記INFINICAM と Starter Kitもご検討ください。
まとめ
- フォトロンのハイスピードカメラも性能別に数十万円〜数千万円の製品を揃えていて、ボリュームゾーンとしては数百万円となっています。
- フォトロンではレンタルサービスや受託撮影サービスも行っております。機種にもよりますが一週間10万円〜 でレンタルサービスを展開しております。
- デモ撮影・評価貸出は重要。撮影できるか/できないかの確認はもちろん、カメラ本体だけで撮影はできないので周辺機器の選定はシステム一式の価格を出すためにも必要。
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