ハイスピード3D-DICの活用例:スピーカーの3D振動計測
- 可視化
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課題
近年、自動車の電動化が進んだことに伴って、室内の静粛性のために各コンポーネントから発生するノイズや振動を以前よりも高いレベルで低減することが求められています。カーオーディオに関しても、室内静粛性が高まった結果、より音源を楽しみたいというニーズから、オルタネータノイズや音源によるコンポーネントの共振ノイズといったノイズは極力低減することが求められています。共振によるノイズは振動解析によって設計段階で予測されていますが、現物の車両実験における振動現象の計測にあたっては、
- 多点同時計測を行うには、加速度ピックアップやレーザー変位計では、煩雑な配線と膨大な準備工数
- センサーを張り付けていない箇所は測定できないため、共振によるノイズの発生源の取り漏らし
- 専用のレーザードップラー振動計は費用が高額
といった課題がありました。
解決
- 高速度3D DIC計測により、振動による変位と変形を可視化し定量化
- 各周波数帯における振動モードを可視化
- 共振点と固有振動数の特定
- 3D変形計測結果を用いたCAEと現物の合わせこみ
計測条件と計測結果例
使用システム | Photron FASTCAM Mini R5-4K / Stereo DIC |
ソフトウェア | ZEISS Correlate Pro |
計測対象 | 市販小型スピーカー |
測定条件 | 100~250 Hz 解像度:2048×2048画素 撮影速度:2,880fps |

変位計測結果
高速度3D DICにより、スピーカーの100Hzと250Hzの音源を使用したときのそれぞれの3次元の変位分布が以下のように得られました。ともに左の動画は実際の撮影動画に変位分布を重ね合わせたもの、右の動画は変位分布を3D強調表示したものです。100Hzのほうが250Hzの時よりも中心部の振幅は大きいことがわかります。
計測結果を用いた周波数解析
計測結果に対して、それぞれ周波数解析を行ったところ、まず100Hzの音源の時は以下の周波数応答グラフが得られ、100Hzおきにピークがあることが分かりました。


一方250Hz音源使用時の周波数応答グラフは以下のようになり、ピークは250Hzの一か所のみに見られました。


今回の試験例では特定周波数の音源を用いましたが、周波数をスイープさせた時を計測することで、スピーカーや周辺部品の共振点や固有振動数の特定にも活用することが可能です。
従来法に対するZEISS Correlateのメリット
振動や変位を計測する場合、従来は加速度センサーを対象に張り付けて加速度を測定し、この値から変位や振幅を得ていました。これによる問題点は以下の通りです。
加速度ピックアップセンサー
測定点数が多くなると準備工数が膨大 | 例)車両全体の計測に準備だけで3~5日 |
センサーや配線の重量が無視できない | 1~10g程度 |
後処理にも多大な手間 | 1日 / 1試験 |
センサーを貼ったところしか計測できない | ノイズ発生源の取り漏らし |
これをZEISS Correlateに置き換えることで、劇的な工数削減と測定信頼性向上に貢献しました。
ZEISS Correlate
≫準備時間:30分
≫ランダムパターン:配線不要で全領域測定
≫結果出力:リアルタイム~数分
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