安全・安心な自動車づくりに貢献する衝突試験・実験を支えるハイスピードカメラ

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株式会社あいおいニッセイ同和自動車研究所 実験事業部 試験グループ 様

FASTCAM Nova Rシリーズ、FASTCAM MH6シリーズをご活用頂いている、株式会社あいおいニッセイ同和自動車研究所 実験事業部 試験グループ様にインタビューした「安全・安心な自動車づくりに貢献する衝突試験・実験を支えるハイスピードカメラ」をご紹介します。

目次

株式会社あいおいニッセイ同和自動車研究所 実験事業部 試験グループで、自動車メーカーの先行開発車の衝突実験データのフィードバックや、保険料率算定や評価の根拠となるデータ収集を行う衝突実験に携わっている小林清次様、久保恭児様に、フォトロンのハイスピードカメラの特徴や導入による業務の効率化等について伺いました。

安全な自動車開発に貢献する自動車衝突実験

1994年に設立された当社は、自動車整備に関する技術セミナーや整備相談、衝突実験・研究を行っている会社です。国内では珍しく、保険会社として自社運営をする自動車衝突実験施設を持ち、私たちが所属する実験事業部試験グループでは、自動車衝突試験業務、自動車型式認証支援業務、欧州市場向け車両に関する保険料率評価支援、車体の損傷リスク低減と修理性向上に向けた構造研究、保険金支払いに関連する検証実験等の事業を手がけています。

具体的には、各自動車メーカーの先行開発車の衝突試験によるデータをフィードバックすることで、安全な自動車づくりに協力しています。また、保険に関連する分野では、事故形態の検証や、保険料の軽減につながる車両修理費の軽減を目的とした分析情報の提供も行っています。認証試験支援から保険関連の分析・検証まで一貫して対応できることで、実験結果を単なる映像記録に留めず、実用的な分析・評価データとして活用できるのが当社実験事業の特長です。

自動車の衝突試験は、平均すると年間70から100回程度実施され、場合によっては1日に2、3回行うこともあります。衝突試験の種類は、大きく分けて前面衝突、後面衝突、側面衝突があり、さらにさまざまな衝突を想定した細かな項目があります。

カメラの導入に際しては各メーカーをゼロベースで検討

現在、衝突試験の撮影には、FASTCAM Nova R5 カラーを3台、FASTCAM MH6 HD-Cam/ST-Cam カラーを2台使用しています。

3年ほど前、20年近く使用していた以前のカメラの保守期限が切れるタイミングで入れ替えを検討。フォトロンの製品は展示会や会社訪問で実機を見ていて、ハイスピードカメラによる衝突実験のプロモーション映像の撮影に当社の実験場を使って頂いたというご縁もありました。一方で、検討するに当たっては、改めて各カメラメーカーから情報を集め、ゼロベースで比較検討しました。その結果、私たちが求めている性能、機能のほとんどを網羅していたのがフォトロンのハイスピードカメラでした。

車両全体の挙動を捉えるため、側面・天井・床下にハイスピードカメラを設置して同時に撮影する。


自動車衝突試験(多視点同期撮影)

最大の決め手は4Kの鮮明な映像と万一に備えたデータの二重バックアップ機能

カメラの選定で最も重視したのは、拡大しても細部まではっきり見える映像の鮮明さと、映像のバックアップ機能です。特に車載カメラは、衝突時に電源が遮断されるなど、何らかのアクシデントで撮影データが消滅するリスクを以前から感じていたこともありました。FASTCAM MH6 HD-Cam/ST-Camは、カメラの内蔵SSDへの自動保存と同時に、不揮発性メモリへのデータ保存という二重バックアップ構造が備わっている、データ保全性への高い信頼性が大きなポイントでした。最終的には、機能と操作性、導入コストやランニングコストなど、総合的に判断して決定しました。

フォトロンのハイスピードカメラの導入は、作業の効率化にも非常に効果がありました。例えば、車載カメラのFASTCAM MH6 HD-Cam/ST-Camは、ヘッドがかなり小型、軽量になっているため、以前のようにボルトで固定しなくても、両面テープでも確実に固定でき、設置の手間が軽減されています。

高解像度と編集機能で、依頼主のニーズに応える映像データを提供可能に

撮影した映像の切り取り、編集機能は、我々にとってもはや欠かせないツールになっています。解像度が高い4Kカメラは、今まで粗く見えていた細部までが鮮明となり、切り取った部分の映像もとてもきれいです。撮影データの中で、特に見たい部分をアップにして別アングル映像のように切り出すことができるため、カメラを2台設置する必要がありません。撮影時と撮影後の負担を減らしながら、試験全体の様子と、一部のアップや別角度の映像など複数の映像を1本に編集でき、依頼されたお客様に付加価値が高いオプションとして提案できるようになりました。自動車メーカーのお客様からも「開発に必要な、確認したい部分がきちんと見える」と高い評価を頂いています。最近はこの映像をご希望される依頼が増えています。



自動車衝突試験(4K撮影とFull HDへのトリミング)

優れた操作性のソフトウェアは作業時間の短縮にも貢献

制御ソフトPFV4は操作性が非常に優れていて、設定から撮影、映像編集までの一連の流れがストレスフリーになりました。衝突試験では、定置カメラと車載カメラなど複数のカメラでの撮影を要します。これまではカメラ1台につきモニタ1台を繋いでいたため、カメラの数だけモニタで確認していました。また撮影前の画角調整は、1台ずつカメラの設置場所で行わなければならず、車体の下部を撮影するカメラは地下ピットに据えるため、その行き来だけもかなりの時間を要していました。フォトロンのカメラを導入後は、リモートでレンズ制御できるカメラは画角調整を行え、すべてのカメラで照明の点灯状態などを手元のタブレット1台で確認、調整ができるため、その都度移動する手間がなくなりました。

複数のカメラ映像を、1台のモニタで同時に確認が可能。
撮影前の画角調整は、モニタから離れた位置でも手元のタブレットで確認可能に。

ピント合わせの補助機能も非常に優秀です。目視でのピント合わせは、見ているうちに合っているのかどうか分からなくなり苦戦していました。今は目視よりも早く確実にピント合わせができます。その他にも設定する項目が簡略化されているので、物理的なボタン操作がかなり減少し、撮影までの設定時間が大幅に短縮できていると実感しています。

カメラ自体の性能はもちろんですが、フォトロンの担当者様の丁寧な対応も導入の決定打だったかもしれません。導入前にも関わらず何十回と当社に足を運んでくれ、疑問や質問に丁寧に対応して頂き、実際の使用感なども確認できました。導入後も、電話でのやり取りだけでは解決できない時には翌日にはこちらまで来て頂けるなど、迅速で的確な対応に助けられています。保守点検も含めた柔軟な提案も、会社としても導入しやすい環境が整ったと感じています。

ハイスピードカメラ映像と3Dスキャンデータを強みに

今後は、フォトロンのカメラを屋外での衝突実験にも起用していきたいと考えています。屋外衝突実験は、自動車メーカー様以外の他業種のサプライヤー様の依頼で、実験の内容によっては屋外で実施することがあります。例えば、ガードレールの強度実験などです。物理的に実験場内ではできないため、屋外の広い土地でコンクリートの土台にガードレールを立てて、一般の道路と同じ状況をつくり、専門ドライバーが運転する車両を衝突させます。精密機械のカメラは湿気やホコリが大敵ですが、その点、フォトロンのカメラは屋外使用でも充分に耐えられる仕様となっているので、安心して使えます。

さらに当社では、3Dスキャンの導入によって、衝突させた部分の前後の形状を計測し、変形の度合いの可視化するデータの提供にも対応しています。これにより、フォトロンのハイスピードカメラによる衝突時の映像と合わせて、より詳細なデータを収集、提供できるようになりました。今後は、当社のひとつの強みとして、衝突後の形状に至った過渡的な状況は映像で、形状の変化は3Dデータで確認できるという、トータルな提案をしていきたいと考えています。

インタビュー:
小林 清次 様、久保 恭児 様

株式会社あいおいニッセイ同和自動車研究所 実験事業部 試験グループ
グループ長 小林 清次 様
上席研究員 久保 恭児 様


※ この記事は2026年4月取材時の情報です


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