赤外線ハイスピードカメラによるレーザ溶接の温度解析事例

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目次

赤外線ハイスピードカメラによるレーザ溶接観察

赤外線ハイスピードカメラを用いてレーザー溶接プロセスを撮影・温度解析することには、溶接品質の向上とプロセス最適化に繋がる、下記のメリットがあります。

  • 非接触で広範囲の温度計測:
    常温から2000℃を超える高温域まで、溶接部全体の温度分布を非接触で高精度に測定できます。特に、従来の計測が難しかった低温域の微細な変化も捉えます。
  • 高速現象の可視化と解析:
    溶融・冷却過程やキーホール挙動、スパッタ発生など、ミリ秒オーダーの高速現象を鮮明に捉え、詳細な温度解析が可能です。
  • 欠陥メカニズムの解明とプロセス改善:
    スパッタ発生原因や熱伝導による周辺部不具合のメカニズムを特定し、最適な溶接条件の導出や品質改善に貢献します。

赤外線ハイスピードカメラによるレーザ溶接の温度解析

赤外線ハイスピードカメラとハイスピードカメラの同時観察

「赤外線ハイスピードカメラ」と「可視光ハイスピードカメラ」を同期撮影することで、現象のより深い理解が可能になります。

通常、赤外線ハイスピードカメラによる熱画像は高温箇所の把握には優れていますが、溶融池周辺や詳細な流動といった微細な動きまで捉えるのは困難です。一方、可視光ハイスピードカメラは、それらの動きを鮮明に捉えることができる反面、温度情報を持っていません。
当社の画像処理技術は、これら二つのカメラの長所を組み合わせることで、それぞれの課題を補完し、温度情報を持つ詳細な動態映像を作成することを可能にします。
この方法は、レーザー溶接のプロセス解明や最適な条件設定など、複雑な現象の理解を深めたい方にとって、非常に有効なソリューションとなるでしょう。

赤外線×可視光ハイスピードカメラのレーザ溶接撮影

シールドガスの可視化

シールドガス自体は、通常、可視光に対しては透明で、人の目で見ることはできません。しかし、赤外線カメラを使用すると、ガスの種類によっては赤外線の吸収波長を利用して可視化することができます。

CO2を含むシールドガスの場合:
二酸化炭素(CO2)は、特定の赤外線波長帯(特に中波長赤外域:MWIRの約4.3µm付近や長波長赤外域:LWIR)で強い吸収・放射特性を持っています。
この特性を利用し、CO2に特化した赤外線ガスイメージングカメラや、適切なフィルターを装着した標準的な赤外線カメラを使用することで、CO2ガスの濃度分布や温度分布を直接的に「見る」ことができます。これにより、CO2の流れや滞留を明確に可視化できます。

アルゴン(Ar)やヘリウム(He)などの不活性ガスの場合:
これらの単原子ガスは、一般的な赤外線波長帯では熱放射や吸収特性が非常に弱く、室温や溶接温度域では直接的に可視化することは非常に困難です。
しかし、溶接アークや溶融池の熱によってシールドガスが加熱されると、そのガスが持つ温度と周囲の空気の温度との間に差が生じます。赤外線カメラは、この温度差(熱のコントラスト)を検出することで、加熱されたシールドガスの熱いプルーム(流れ)を間接的に可視化します。
つまり、ガス分子自体を直接見ているわけではなく、ガスが熱を持つことで生じる温度パターンを見ていることになります。

CO2を含むシールドガスの可視化

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