3DCADで複雑な形状を分かりやすく伝達(株式会社名南ゴム工業所様)
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株式会社名南ゴム工業所様 様
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1961年(昭和36年)の創業で、ゴム製品の製造と販売、ワイヤーハーネスの組み付けという2つの事業を柱にする株式会社名南ゴム工業所。分業化が進んでいる業界にあって、ゴム製品の製造ではあえて “原材料配合”から “成型”までを自社内で完結させ、独自性と差別化に注力したものづくりを実践している。その結果、ゴムの中に金属や樹脂などを焼付けるインサート成型や市販のゴムベルトとの接着を行うなど、他社にはない特長を有し、磨かれた技術力によって国内外の特許も取得。様々な種類のゴムがある中、医療、福祉、美容にも使える着色したシリコンゴムを扱っているのも同社の特長である。
今回、2020年9月に採用していただいた3D CADソフト〈図脳CAD3D V2〉について、導入までの経緯とご使用いただいた感想等について代表取締役の岡本敏宏社長にお聞きした。
3D CADはゴム成型において必要不可欠なツール
学生時代から図面を引いていたという岡本社長は、2D CADについても10年以上のユーザー歴がある。その2D CADソフトはフォトロンの〈図脳RAPID〉。このフォトロンの2次元専用CADソフトをお使いいただいている最大の理由、それは操作が馴染みやすい「日本製ソフト」だからという。
『当初、Wordの描画機能を使って図面を作成していたのですが、実際の寸法どおりにはいきません。そこで2D CADの導入を考え、販売店の店頭でフォトロンの製品を知って購入しました。いまも使用していますが、使いやすいようにカスタマイズもできるのが気に入っています。操作性が分かりやすい日本製というのが購入のポイントでした』
現在、〈図脳RAPID〉は3次元モデルの元となる2次元形状を作成するために使用している。〈図脳CAD3D V2〉を導入してからも回転体の元形状の作成に活用しており、2D CADと3D CADを連携して併用することにより、意図したとおりの3次元モデルの作成を可能にしているという。もちろん、最初から〈図脳CAD3D V2〉を使って3次元モデルを作成することも可能だが、岡本社長にとっては10年以上使い慣れた〈図脳RAPID〉を使った方が複雑な形状も容易に作成できてしまう。2次元で思い通りの図形を描いたら、その2次元データを〈図脳CAD3D V2〉に取り込んで回転・合成。これで求めた3次元モデルが短時間で完成する。
名南ゴム工業所としては、〈図脳CAD3D V2〉導入以前から3次元データを扱っていた。ゴム成型品の注文を受けた時に3次元データを渡されることがあり、そのデータは3D CADソフトの評価版で展開して閲覧していたという。残念ながら評価版ではデータに加工を加えることができないので、ハードコピーした画像をプリンターで出力し、金型作成のための指示を手書きで書き加えるアナログ作業で外部に発注していた。2D CADソフトだけで描いているときは、断面図を大量に作成しないと形状を伝えられないこともあったという
選定理由は日本語ベースの分かりやすいコマンド
3Dプリンター、測定器、製造設備、そして3D CADソフト〈図脳CAD3D V2〉を新規に導入。ゴム成型のための金型作成には、現在、3次元データで外部に発注できるようになっている。
『評価版の3D CADを不自由に思いながら使っているとき、「設計・製造ソリューション展」という展示会で初めて〈図脳CAD3D V2〉を目にしました。搭載しているエンジンがCATIAと同じもの。データを読み込んだときに他社と比べて化ける割合が低い。この2つに初見で興味を引かれました。というのは、評価版では読み込んだときに結構な割合で化けていましたから』
取引先の説明会や他の3D CADソフトの説明会にも参加して情報を収集。そうした中で感じたのは“コマンド名が分かりにくい”という印象でした。海外製品はコマンド名のニュアンスや使い勝手が少し異なり、そこが使いにくい分かりにくいと感じるという。例えば〈図脳CAD3D V2〉では「薄肉化」という均一な板厚の形状を作成するコマンドは、海外製品の場合「シェル」という単語になっている。そして、海外製品を選定候補から外したのは“保守料金が高額”という理由からでした。
『展示会の後、2、3か月後にフォトロンの名古屋営業所に伺い、初めて3D CADの体験会に参加してきました。モニターを見ながらひとつひとつの操作を始めてみると、思いのほかスムーズに理解することができたので「これなら覚えられる」と実感しました。最終的に決め手になったのは「日本のメーカー」「日本語表示のわかりやすさ」「画面がスッキリしていて見やすい」という理由からです』
3次元データ化で情報伝達の“速さ”と“正確さ”が付加価値に
9月に購入し、実際に使用を開始したのは2か月後の11月から。そして、12月には3Dプリンターによる造形製作ができるようになったという。現在、モデリングの手順は、(1)手書きの絵(成型図)を受け取る (2)形状や寸法を頭で描く (3)回転体であれば〈図脳RAPID〉で図面(寸法、形状)を描き〈図脳CAD3D V2〉で3次元モデルを作成 (4) 回転体でない場合は最初から〈図脳CAD3D V2〉で3次元モデルを作成(どう押し出すか、どう切り取るかを考えて)——という流れで行われている。
『使いはじめは、もちろん戸惑いましたがコールセンターに電話をすれば的確なアドバイスでスムーズに理解することができました。特にリモートによる遠隔操作は、コールセンターから同じ画面を見ながら説明をいただけたので、とても分かりやすい。2週間ぐらいのトレーニング期間で、作成したい簡単な図面を描くことができたのです』
〈図脳CAD3D V2〉をインストールするにあたっては、使用するマシンを新規に導入することもなく、もともと使用していたワークステーションを使って支障なく利用を開始できたという。導入から7か月が経過した現在は、お客様への提案に3次元データを渡すことで、思い違いなどのミスを未然に防止。認知のしやすさがトラブル防止にも役立っている。手書きでは表現しにくい細かな形状であっても、細部まで明確に描画されており、複雑な形状は3次元で回転させて事前にしっかりと確認が可能。さらに、3次元データで成型の仕上がりを提案することは、製品化するまでの時間を短縮。提案に問題なければそのまま次工程へと進められ、修正があっても短時間でデータを直し、すぐに再確認ができる。結果的には、お客様とのキャッチボールの回数を減らし、問題解決を早めることが可能。よりスピーディにデータを完成できることは、企業としてのアドバンテージになっているという。
『3D CADで面白いのは、行き着いた結果が同じ形状でも作成するアプローチの方法が何通りかあるということ。例えば湾曲した形状を作る場合、湾曲した線を引くのか形状をカットして湾曲を残すのかというようなことです。どの方法が一番効率的に早くできるかを考えるのは重要で、もっと便利な機能や効率的な描き方をマスターしていきたいと思っています』
経営面でも有効なツールとなる〈図脳CAD3D V2〉。今後は、お客様からの依頼だけでなく、自社デザインの製品も手掛けたいと思案中。3D CADソフトを導入して積極的に事業を展開する名南ゴム工業所は、技術力に“速さ”という付加価値を加えて次のステップへと進もうとしている。
使用開始から2週間で基本操作をマスターした岡本社長
株式会社名南ゴム工業所
お客様の困り事には“できない”とは言わないことを信条に、粘り強くそして柔軟に課題に向き合い、解決できた時の“お客様の笑顔こそ仕事の最高の歓び”としている。ゴムと金属、樹脂など一体成型ができるためワンストップでお客様からのご要望にお応えすることができる同社は、世界から求められるオンリーワン企業、社員が誇れるものづくり企業を目指している。
URL : http://www.meinan-rubber.co.jp
住所 : 愛知県知多市日長字大曽根88-1
取材日 : 2021年5月13日
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