微小な現象から大きな構造体の変形の可視化までハイスピードカメラは多種多様な分野で活躍
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地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 様
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ハイスピードカメラ FASTCAM Mini AX をご活用頂いている
地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 産業技術環境研究本部 工業試験場 様に
インタビューした「微小な現象から大きな構造体の変形の可視化までハイスピードカメラは多種多様な分野で活躍」の記事をご紹介します。
総合技術支援と研究開発で地元産業の発展に寄与
地方独立行政法人北海道立総合研究機構(道総研)は、北海道内に21の拠点と約1,090名の職員を有する試験研究機関です。
農業、水産、森林、産業技術、エネルギー・環境・地質及び建築・まちづくりの幅広い分野において、「ほっかいどうの希望をかたちに!」するため、試験、研究、調査、普及、技術開発、技術支援、事業化支援等の業務を行っています。そのなかで工業試験場は、北海道内の企業からの依頼に応じ、産業技術分野の技術的な指導や研究開発のサポートを提供しています。また、私たち自身もそれぞれの専門分野において研究を行っており、金属加工に関する研究、機械関係に関する研究など多種多様な研究を行っています。
これにより、多岐にわたる技術領域で企業のニーズに応える役割を果たしています。
ハイスピードカメラ導入の背後にある検討プロセスと未来への期待
元々金属3Dプリンタの研究をしており、30μmくらいの金属粉末を敷いて、そこにレーザを照射するのですが、とても速い速度で溶けて固まるので、どのように溶けていくのかという過程を可視化したく、ハイスピードカメラが必要でした。以前より、他社製のハイスピードカメラを使用していましたが、金属3Dプリンタの装置の中にハイスピードカメラを設置して撮影したく、より小型のハイスピードカメラを探していました。ちょうど更新しようと考えていたところ、地場の販売店からフォトロンのハイスピードカメラを紹介頂きました。フォトロンのハイスピードカメラは、導入当時、一番小型のハイスピードカメラで、これなら金属3Dプリンタの中に組み込めると感じました。価格と性能についても見事なバランスを有しており、コストの観点からも満足度がありました。
また製品導入検討時の実機デモで見たい対象物がしっかり撮影できるということが確認できたこともあり、製品の可能性を感じたことも理由の一つです。当時の営業担当者さんが、撮影に関する質問について、どんなことでも詳しく教えてくれたので、信頼感が生まれ、導入において非常に安心感がありました。私たち職員は、今までの経験から、どんな製品が入ってもある程度は使うことができます。なので、製品導入後もしっかりサポートをしてくれる、不明点を聞いたら明確に答えてくれるなど、そういうサポート面はやはり決め手になってきます。最終的には我々の研究開発におけるハイスピードカメラの必要性や、北海道内の会社でのハイスピードカメラの必要性があるという2点を踏まえ、『FASTCAM Mini AX 200( カラー)』の導入に至りました。
微小な現象から大きな構造体の変形の可視化までハイスピードカメラの多種多様な活用事例
当場の研究におけるハイスピードカメラの活用用途は、レーザ照射時の金属粉末の溶融凝固現象の可視化や金型の微小かつ高速な変形挙動の可視化など、肉眼では見えない微小な現象の可視化から、実車を用いた車両突入阻止バリケードの衝突試験などの大きな構造体の変形の可視化まで、幅広く様々な領域で使用しています。
金属3Dプリンタの溶融過程は、数十µmの小さな金属粉末を数百mm/sの高速で走査するレーザで溶融させます。この微小領域の溶融状態が造形体の品質に影響するため、どのように溶けて固まるのか観察することが製作条件を決定するために重要です。金属が非常に短い時間で強い光が発生しながら溶けるため、通常のカメラでは撮影することができません。どのように溶けて固まるのか実際に見てみたいという思いから研究をスタートしました。レーザ照明とハイスピードカメラで実験系を組んで、初めて実際に現象を撮影できたときはとても感動しました。当時、この現象を撮影しようと試みている研究者が国内で非常に少なく、その感動もひとしおでした。ハイスピードカメラで金属粉末が溶ける過程を見たいというところから始まり、今では金属3Dプリンタだけではなく、溶接など金属が溶けて固まることを利用した加工方法の条件出しなどに活用しています。
実験系を組む段階で、光量の調整や、カラーのカメラなので、ホワイトバランスといった色味の調整など、綺麗な画像を取得するためにはカメラ側の調整が必要でした。こういったときに営業担当者さんから詳しくアドバイスを頂けたのはとても助かりました。カメラに取り付けるためのレンズなども、従来ですと高価な望遠レンズが必要だったのですが、予算に合わせる形で、レンズの組み合わせを提案してもらい、しっかり可視化できるようになったので、大変助かりました。
金型の微小な歪みの可視化は、金属を金型に挟んで加工するプレス機械があるのですが、そこについている金型の微小な時間の、微小な変化を見たく、ハイスピードカメラを使用しました。今まで見たことがなかったのですが、肉眼では見えない変形を可視化できるようになりました。この研究を通して、金属を加工する際の品質を向上させる技術の発展に寄与したいと考えています。
車両突入阻止バリケードの開発においても、もちろんコンピュータ上で、試作品の強度シミュレーションなどを実施して性能評価をしますが、最終的には実車をバリケードに衝突させて評価する必要があります。ハイスピードカメラで衝突した際の映像を取得することで、衝突した際にどこから壊れていくのか確認し、どの部分の強度が弱いのか、どの部分をより頑丈に設計するかを検討することが可能になります。衝突試験の場合、外に持ち出して使用するので、ハイスピードカメラのサイズが小さく、可搬性が良いことはとても助かっています。また、ハイスピードカメラの制御ソフトウェアも、実験当日に参加した人でも撮影できるくらい分かりやすいつくりになっているので、その点もありがたいです。
ハイスピードカメラ活用を通じて研究の発展、地元企業の発展を目指す
従来のデータやグラフはその結果がどんなに素晴らしくても、専門外の人にとっては理解しにくく、難しいものでした。ですが、フォトロンのハイスピードカメラを導入し、良い映像が撮影できたことにより、情報の伝達性が格段に上がり、わかりやすくなりました。その結果、これまでお付き合いのなかった企業様からも支援を希望されるようになり、新しい研究開発の展開や企業の技術力向上に大いに役立っています。
ハイスピードカメラは我々の研究や技術支援の発展に大きく寄与しました。引き続きハイスピードカメラを活用し、研究を発展させるとともに、地元企業が何かしらの技術的な課題に直面した際には、そのお手伝いをさせて頂けるよう邁進します。
また、地元企業と協力し革新的な解決策を生み出すことで、地域の産業とともに発展を目指します。
インタビュー:
地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 産業技術環境研究本部
工業試験場 材料技術部 素形材技術G 主査(AM製造) 鈴木 逸人様
工業試験場 材料技術部 素形材技術G 主査(製造技術) 鶴谷 知洋様
ものづくり支援センター 技術支援部 工業技術支援G 主査(広報) 今岡 広一様
※ この記事は2024年2月取材時の情報です
撮影事例
[画像提供]地方独立行政法人 北海道立総合研究機構
産業技術環境研究本部 工業試験場 様
金属3Dプリンタ用粉末のレーザ照射による溶融凝固現象の可視化
車両突入阻止バリケードの開発における実車衝突試験
金型の微小な歪みの可視化
製品紹介
FASTCAM Mini AX
「FASTCAM Mini AX」は、120×120×94mm、質量1.5kgという軽量コンパクト筐体でありながら、1024×1024ピクセルで6,400コマ/秒、640×480ピクセルで20,000コマ/秒、最高900,000コマ/秒(※AX200)という撮影速度を実現したハイスピードカメラ(高速度カメラ)です。
また、モノクロISO 50,000 / カラーISO 25,000という超高感度を実現しており、流体、燃焼、微小体観察など様々な分野で活用いただけます。
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