プラスアルファの提案が採用の決め手に! 多くの課題を解決した最新編集システム

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このたび5年間運用した編集・収録設備の更新にあたり、多数の提案の中からフォトロンが提案したシステムを採用した。実運用に伴うさまざまな要望を反映したシステムを構築したことで、とても満足のいく結果という評価をいただいた今回の更新。
フォトロンの提案を採用した経緯、システム構築、そして実際の移行について、株式会社毎日放送 総合技術局 制作技術センター 野畑 智樹 氏にお話を伺った。

ポイント

  • 『STORC』導入で将来的な収録制御アプリケーションの統合環境を構築
  • 『部分差し替えアプリ』『編集のリモート確認』等、想定以上の提案で課題を解決
  • 稼働しながらの設備移行もスムーズに完了

提案力を信じシステム変更の賭けに出る

「システムの更新を検討し始めたときは、従来のベンダーに不満がなかったので、リプレイスで行こうと思っていました。ただ、他局で見たフォトロンのシステムが印象に残っていたこともあり、自分からフォトロンに声をかけてみることにしました。」
 野畑氏は発注先の決定に至るまでに、さまざまな葛藤があったと語った。
「従来のシステムをリプレイスするだけであれば、比較的スムーズに移行することができます。一方、大幅なシステムの変更は、編集現場だけではなく、制作側にも大きな影響が及ぶため、フォトロンにシステム構築を依頼することは、大きな賭けでした。私は最終決定をする立場でしたので、新しいことへの期待と不安を抱きながら決断しました。」
 その“賭け”を実行するにあたって背中を押したのが、フォトロンの提案力だったと野畑氏は明かす。
「我々の要件を満たしつつ、プラスアルファまで盛り込まれた魅力的な提案でした。特に『STORC』『部分差し替えアプリ』『編集内容のリモート確認』については、自分たちの予想を超えた内容でした。」
 これらプラスアルファの提案をもとに、予算を考慮しながら最適なシステム構成になるように細部にわたる調整を実施。この調整に当たり「積極的なフォトロンの協力があった」ことで、満足がいく構成となり最終的にフォトロンへの発注につながったと打ち明けてくれた。

要望を反映した開発で他局と共有する悩みも含めて解決

●STORC

STORCの操作画面

 フォトロン製セントラライズシステムであり、収録サーバ『EVS XS-VIA』の制御アプリケーションとして、国内で初めて導入いただいた。
「『STORC』に関しては、汎用性を持たせたいとのフォトロンの意向も理解しつつ、自分達の運用に合わせたさまざまな要望を伝え、確実に安心して収録業務が行え、かつ収録後の管理が便利になるように、いくつか仕様を追加してもらいました。そのため、操作性もよく、スタッフからも好評です。私たちの出した要望はきっと他局も同様に望んでいる仕様ではないかとも思っています。」
 フォトロンは開発チームがしっかりしていて、例えば今後収録の運用が変わるようなことがあっても、安心して相談できるとも語っている。実際、収録ファイルの収納方法を工夫したことや、仮編集用のプロキシファイルを同時生成する仕組みを導入したことにより、作業時間が短縮されスタッフの労務管理の改善にもつながっている。今後については『EVS XS-VIA』だけでなく、『STORC』からバックアップ収録用のBlackMagicDesignやXDCAMデッキの制御についても開発を依頼しているという。

●EVS XS-VIA

 収録サーバとして導入。プレビューファイルが自動作成されるため、従来収録作業後に存在していたプレビュー作成の工程がそっくり無くなったのは大きな効果だと野畑氏は話している。また常時収録についても、
「リハーサルも含め常に収録されているため、リハーサルの方が良かった、という場面でも動画素材を切り出せるため助けられています。またシビアに収録のオンオフを気にせず済むのでありがたいです。」

●部分差し替えアプリ

部分差し替えアプリの操作画面

 今回のフォトロンからの提案の中でも高い評価をいただいているアプリケーションの一つ。XDCAMディスク運用では簡単にできる映像の部分差し替えが、今後の物理メディアに依存しないファイルベース運用にシフトする際の大きな課題であった。これが「部分差し替えアプリ」の開発のきっかけとなる。
「他局の編集担当者ともよく話していたのですが、ファイルベースで部分差し替えができるアプリケーションの中で、実運用に適したものはなかなかみつかりませんでした。この悩みをフォトロンに相談したところ、共同開発の提案をいただきました。我々の要望を細かな部分も含めて積極的に取り入れて開発してくれたことに感謝しています。今後の制作フローにおいて非常に助かるアプリケーションです。」

●AD連携

『Premiere Pro』の環境設定やキーボードセッティングなどのセットアップをユーザー単位で編集環境を管理するために導入。しかし運用開始後に一部の編集端末にて設定変更の必要が出てきたと野畑氏。
「『AD連携』は我々からの要望でした。さまざまなスタッフが各編集室に出入りするため、どの編集室でも同じ環境を構築してスムーズに作業できるよう管理することが導入の目的です。ただ運用開始後にユーザー管理の都合で一部端末にて設定を変更する必要性に迫られました。結果的に複雑な仕組みとなりましたが、システムの変更に柔軟に対応いただき大変助かりました。」

編集における悩みも解決したフォトロンからの提案

●編集内容のリモート確認

 フォトロンからの提案の中の一つ、『編集内容のリモート確認』について野畑氏は制作サイドとの意志疎通改善につながったと話す。
「以前は遠隔地にいる制作スタッフとの修正のやり取りはメールで行っており、効率の悪さを感じていました。『Adobe Premiere Pro』と連携するコラボレーションプラットフォーム『Frame.io』をフォトロンから導入の提案・サポートまで行ってもらったため、チェックバックのフローは飛躍的に向上しました。」
 リモート確認の流れは次の通り。『Premiere Pro』編集結果のシーケンスからプレビューファイルを出力し『Frame.io』のクラウドへアップロード。遠隔地にいるプロデューサーやディレクターにクラウドのURLを送りアクセスしてもらう。アクセスしプレビューファイル内へマーカーや具体的な指示も書き込み編集スタッフへフィードバック、の流れとなっている。

サーバラックの様子。Avid NEXISやTelestream Vantage、EVS XS-VIAといった導入システムが格納されている。

●Avid NEXIS

 編集サーバとして導入。ボリューム管理が簡単にできるため、最小限の容量での構築が実現した。
「更新前のサーバに不満はありませんでしたが、新しいサーバはフォトロンからのサポート力も重要な要素と考えて選定しました。正直なところ、編集サーバのトラブルはさまざまな番組に大きな影響が出てくるため、サーバ変更には不安はありましたが、導入した『Avid NEXIS』は弊社での必要な機能をを満たしており、かつユーザーレベルで管理可能なアプリケーションにて番組ごとに容量の調整がとても簡単に行える仕組みでした。以前と比べてサーバ容量の管理がとてもしやすくなり、容量の調整が頻繁に行われる特番シーズンも無事乗り切れそうです。」

●Telestream Vantage

 編集の局面では様々な形式の動画ファイルが持ち込まれる。従来、『Premiere Pro』に直接読み込めないファイルは『Adobe Media Encoder』で変換していたが、そこでも扱えないファイルは様々なアプリケーションソフトウェアを試すなどして、変換に苦労していた。これらがトランスコード設備として導入した『Vantage』によって一挙に解消したと野畑氏は話している。

稼働を止めず更新、設備もスムーズに移行

「レギュラー番組の編集をいつもと違う社外編集プロダクションで作業するとなると、勝手が違うため時間と費用が通常よりかかってしまいます。そのため、できるだけ稼働を止めずに更新したいという要望をフォトロン側に伝え、継続使用の機材移動も含め、効率のよいスケジュールを立ててもらいました。結果的に非常にスムーズかつ運用制限が必要最小限となり、レギュラー番組を社外で編集する必要はありませんでした。実際の設備更新にあてた期間は1カ月で、正直ここまでうまくいくとは思っておらず、フォトロンの皆さんには大変感謝しています。」
 野畑氏は編集サーバ切り替え時にトラブルが発生し、編集作業を止める状況も想定していたそうだが、杞憂に終わったとも明かしてくれた。

今後も協力関係が続くにあたって

 今回設備更新と合わせ、障害を24時間365日有人監視で行う『PYXIDA』も導入いただいた。
「トラブルが起こったとき、いつでも連絡できることには安心感がありますね。かつては、ベンダーの担当者に直接連絡することもありましたが、負担がかかっていたのは理解していました。『PYXIDA』のおかげで常に窓口が開いているのはありがたいです。」
 最後に野畑氏は今後のフォトロンとの関係について、こう語っている。
「こういう仕事をしていることもあり、常に新しいことにチャレンジをしたいと考えています。最初に提案を聞いた際、フォトロンはそのパートナーになりうると思いましたし、一緒にやっていて、その印象は全く変わりませんでした。今後も、新たな挑戦の環境を一緒に構築できることを非常に期待しています。」

(取材:2024年4月)

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