Haivision、France Télévisions、IBC2025アクセラレーター「Media Innovation Programme」でライブ制作向けプライベート5Gの可能性を拡張

France Télévisionsは本日、IBC2025アクセラレーター「Media Innovation Programme」への参加を発表しました。本プログラムでは、プライベート5Gネットワークがライブ制作ワークフローをどのように変革できるかを探求します。

「Conquering the Air(waves)陸から海、上空までのプライベート5G」プロジェクトにおいて、France Télévisionsは放送事業者、学術機関、技術パートナーと協力しています。

参加団体には、Adapt Media Services、BBC、d&b Solutions、EBU、Eutelsat、Globo、Haivision、Neutral Wireless、Open Broadcast Systems、Orange Events、QTV、RAI Radiotelevisione Italiana、RTÉ、Shure、University of Strathclydeが含まれます。本プロジェクトでは、航空ベースのプライベート5Gネットワークを展開し、過酷で変動する環境下でもスポーツやエンターテインメントイベントのライブ制作において、安全で高帯域、かつ超低遅延の接続を実現する方法を探求しています。

このプロジェクトの目的は、放送事業者が低コストでより多くのコンテンツを制作し、観客をアクションにより近づける没入型体験を提供できるよう支援することです。また、プライベート5Gがより環境に優しいライブ制作手法をサポートできる可能性も探っています。従来のRFシステムへの依存を減らすことで、プライベート5GはCO₂排出量の削減にも寄与し、より持続可能なライブ制作を支援します。環境に配慮した制作ワークフローに加え、この試験では放送チームやアスリートの安全性や連携強化にも有効であることが示されています。

プロジェクトでは、新しいモバイルおよび航空ネットワークアーキテクチャや、革新的なバックホールソリューションの開発・テストに重点を置き、高品質かつ低遅延の映像・音声ストリーミングをサポートしています。ドローンベースの5Gネットワークの開発も含まれます。今夏ヨーロッパ各地で実施された複数の概念実証試験では、プライベート5Gがより没入的で柔軟かつ信頼性の高いライブイベントカバレッジを提供できることが確認されました。本プロジェクトの成果は、今後の航空5G接続の実装に活かされ、より柔軟でスケーラブルかつ没入型のメディア制作ソリューションへの道を開きます。

実施された実証試験

France Télévisions – Bretagne Classic（フランス・ブルターニュ、8月29日～31日）

Bretagne Classicの概念実証試験では、France Télévisionsがモーターサイクルカメラおよび超軽量航空機を用いたプライベート5G接続をテストし、ダイナミックなライブカバレッジ、オンボード処理、スペクトラム共有の可能性を実証しました。ライブ制作ワークフローでは、Neutral Wirelessが超軽量航空機からプライベート5G接続を提供し、モーターサイクルカメラ（Haivisionのモバイルビデオ伝送ソリューション搭載）で撮影したコース映像を受信しました。映像はEutelsatのモバイル車両で受信され、LEO衛星コンステレーションを介してクラウドに送信されました。

さらに、映像はOrangeの公共ネットワークを介して超軽量航空機からバックホールされました。Shureのアレイマイクで収録されたプロフェッショナルオーディオも、超軽量航空機経由でEutelsat車両にストリーミングされました。この野心的で革新的なプロジェクトは、ライブイベント向けの広域無線接続の展開方法を変革する可能性を示しています。

QTV – Henley Music Festival（イギリス・ヘンリー・オン・テムズ、7月10日～11日）

Henley Festival 2025では、Neutral Wirelessのプライベート5Gネットワークが、放送カメラおよびジンバルに搭載された移動式スマートフォンの両方をサポートし、Haivisionのモバイルビデオ伝送ソリューションで観客のリアクションや会場の雰囲気を撮影しました。QTV、Adapt Media Services、d&b Solutionsと連携し、リモートカメラ制御、インターコム、現場での映像配信も試験され、ライブフェスティバル制作における新しいクリエイティブの可能性を示しました。

Radiotelevisione Italiana（RAI） – 航空機・ドローン搭載プライベート5Gセルラーネットワーク（イタリア・トリノ、7月1日～2日）

RAI、France Télévisions、Neutral Wireless、Haivision、Eutelsatは現地にて、軽量n77無線機を搭載した係留ドローンを飛行させ、航空ベースのプライベート5Gセルを構築しました。複数のライブ映像フィードがドローンを介して地上インフラに送信され、優れたパフォーマンスと伝送距離を実現しました。

実証にあたってのパートナーたちのコメント

France Télévisions CTO スカンダー・ベン・アティア
「オリンピック聖火リレーで生まれた勢いを基盤に、この共同プログラムに貢献できたことを大変嬉しく思います。France Télévisionsでは、視聴者をイノベーションの中心に置いています。プライベート5GやLEO衛星などのソリューションを活用することで、制作の俊敏性と責任ある運営を高め、視聴者にとって重要なイベントをより豊かでアクセスしやすい形で届けられるよう努めています。」

RAI R&D エンジニア ジュリオ・スタンテ
「RAI R&Dは数年間にわたり、テレビ制作向けプライベート5Gネットワークの研究に取り組んできました。本試験では、トリノ近郊で適切な試験場所を選定し、航空ベースのプライベート5Gネットワーク用の周波数や、ドローンとの統合作業、初期試験の実施を担当しました。これらの試験は、将来的な制作現場での技術導入に向けた重要なマイルストーンであり、近い将来の本格的採用を楽しみにしています。」

ストラスクライド大学 ソフトウェア定義無線チーム責任者 ボブ・スチュワート教授
「この画期的なアクセラレータープロジェクトの創設チャンピオンとして、3つの概念実証試験すべてに参加できたことを誇りに思います。試験では、挑戦的な環境下でも放送ワークフローを支える革新的なプライベート5Gネットワークを展開しました。この技術は世界的なイベントでも活用されており、2023年の国王戴冠式や昨夏のパリ・マルセイユの複数会場でも使用されています。」

IBCアクセラレーター創設者・リード、IBC理事会議長 マーク・スミス
「IBCアクセラレータープログラムは、業界リーダーが現実の課題に迅速に対応するための協働環境を提供します。France Télévisionsとプロジェクトチャンピオン、参加者たちは、リモートライブ制作の未来に向けて新たな可能性を切り拓きました。IBC2025では、彼らの試験結果と革新を業界に紹介できることを楽しみにしています。」

Neutral Wireless シニアシステムエンジニア サム・ヨッフェ
「このプロジェクトはプライベート5Gの限界を押し広げました。航空機から複数のデバイスが同時にプライベート5Gネットワークを通じて映像を配信できたことは大きな成果です。ライブ制作やイベント向け無線接続の革新に大きな可能性を感じています。」

Haivision エンジニアリング上級副社長 ロナン・プラウエック
「最先端技術とハイブリッド制作環境を統合することで、ライブ放送の限界を押し広げました。Falkon X2やHaivision Pro 5Gモバイルトランスミッター、StreamHub GO、MoJoProなどの高度なソリューションにより、プライベート5Gやセルラー網でのシームレスで高品質な映像伝送が可能となり、次世代のライブ制作ワークフローを推進しています。」

Shure Associate VP, Innovation Solutions and Platform チャド・ウィギンズ
「プライベート5Gを利用してライブイベントのワイヤレス映像フィードの音声品質を向上させました。アレイマイク技術を活用し、IPネットワーク経由で高品質な音声を視聴者に届けることで、スポーツや放送制作に新たな時代を切り開いています。」

Eutelsat Video事業部 プレジデント エイメリック・ジャンティ
「概念実証試験により、EutelsatのOneWeb低軌道衛星コンステレーションが、移動中の車両からのライブ映像信号を耐障害性のある高帯域幅IP伝送で実現できることを示しました。衛星を活用した接続は、放送貢献ワークフローの未来を再定義する重要な一歩です。」

Orange Events CTO ベルトラン・ロジャ
「Orange Eventsはプライベート5G技術の提供に積極的に取り組んでいます。航空機には複数のモデムを搭載し、空中からOrange公共ネットワークに接続できるようにしました。これにより、制御システム向け接続とボンデッドセルラーによる映像伝送の両方が可能となり、ライブ制作の利便性を向上させています。」

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