EVS、IBC2025で「Tactiq」を発表 ─ コントロールルーム運用に前例のない柔軟性を提供

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ライブ映像技術のリーディングプロバイダーである EVS は、次世代のモジュール型コントロールルーム・インターフェース 「Tactiq」 をIBC2025にて発表します。

EVSが提唱するより広範な Flexible Control Room(FCR)ソリューション の初公開となり、ソフトウェア定義型の新しいライブプロダクション環境を提示します。これにより、放送局はワークフローをスケール、オートメーション化、そして柔軟にカスタマイズすることが可能になります。

ベルギーのフランス語系公共放送局RTBFは、2026年にオープン予定の最先端オールIP拠点「Media Square」において、FCRとTactiqを初めて全面導入する予定です。

統合コントロール、柔軟なワークステーション、拡張可能なライブ制作

Tactiqによって、制作ワークスペースはもはやタスク専用ハードウェアに縛られることはありません。ユーザーインターフェースをバックエンドシステムから切り離すことで、映像・音声・グラフィック・照明といった主要な制作要素を、直感的でモジュール化された単一のインターフェースから一元管理できます。

このソフトウェア定義型アプローチにより、制作チームは比類のない運用上の柔軟性を得られます。どのワークステーションも任意のタスクに割り当て可能で、タッチスクリーンや物理コントローラーで操作できます。各オペレーターの席が多機能化し、コラボレーションを強化、チーム効率を最大化し、柔軟なワークフローを実現します。

さらにTactiqは、EVSのライブ制作エコシステムとシームレスに統合され、幅広いサードパーティツールもサポート。制作パイプライン全体で一貫した操作体験を提供します。

生産性を高める直感的な操作と自動化

Tactiqのインターフェースは経験を問わず扱いやすく、素早いオンボーディング、役割間のスムーズな切替え、そしてライブ・収録番組のいずれにおいても自信を持った運用を可能にします。

また、ランダウンに基づく自動化機能を導入し、繰り返し作業を効率化しつつ、必要な場合は手動介入も可能。ライブ特有の緊張感の中でも、安定した出力とエラー低減を実現します。

FCRがもたらす変革 ─ 動的で再構成可能なコントロールルームへ

Tactiqは、より広範なEVSの Flexible Control Room(FCR) の一部です。FCRは従来の固定的なコントロールルームを置き換え、現代の制作ニーズに合わせた アジャイルで再構成可能なワークスペース を実現します。

FCRの中核を担う Production Resource Manager は、ライブ制作におけるシステムリソースやオペレーターの役割、機材構成を自動的に把握・管理。セットアップや調整を効率化し、エンジニアやオペレーターにとって直感的でスムーズな制作環境を提供します。

FCRはオープンで相互運用性に優れ、IPと従来のワークフロー双方をサポート。EBUが提唱する Dynamic Media Facility(DMF) コンセプトとも整合しています。

RTBFによる世界初の全面導入

RTBFは、受賞歴のある「Control Room 42」プロジェクトに続き、EVSと提携してMedia Squareで世界初となるフルスケールのFCRを導入します。この拠点では数百人規模のユーザーが、完全にソフトウェア定義された柔軟かつ将来性のある環境で運用を行います。

EVSはTactiqおよびFCRを通じて、放送局にかつてない柔軟性と拡張性を提供し、制作スタッフが多様な役割に挑戦できる新たな機会を創出します。RTBFとのパートナーシップは、このFCRのビジョンを実証する上で重要な役割を果たしました。革新と協働がライブ制作の中心にあるとき、未来の可能性が大きく広がることを示しています。

Jean-Paul Philippot、RTBF CEOのコメント

「EVSとともに、私たちはコントロールルームを制作ニーズに合わせて柔軟に変化する空間として再構築しました。TactiqとFCRによって、私たちは“やりたい制作スタイル”に合わせてコントロール環境を設計できるのです。」

Serge Van Herck、EVS CEOのコメント

「TactiqおよびFCRの統合ソリューションにより、放送事業者に前例のない柔軟性とスケーラビリティを提供しています。また、制作スタッフがさまざまな運用役割を担う新たな機会も創出しています。RTBFとのパートナーシップは、FCRのビジョンを実証するうえで非常に重要でした。彼らの大胆で先進的なアプローチは、イノベーションと協働がライブ制作の中心で融合したときに何が可能になるかを示しています。」

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