株式会社エディッツ、劇場アニメ「ルックバック」の編集にDaVinci Resolve Studioを使用
- Blackmagic Design
DaVinci ResolveとBlackmagic Cloudでアニメ作品のポストプロダクション業務を効率化

東京、日本 – 2025年5月13日 (火)
Blackmagic Designはこの日、人気アニメ作品の編集を多数手掛ける株式会社エディッツの廣瀬清志氏が、劇場アニメ「ルックバック」の編集にDaVinci Resolve Studioを使用していることを発表した。
「ルックバック」は、大ヒット漫画でアニメ化もされた「チェンソーマン」の作者でもある藤原タツキ氏の同名漫画を原作とした長編アニメ。本作の編集は、エディターの廣瀬清志氏がDaVinci Resolve Studioで担当した。廣瀬氏が代表取締役を務める株式会社エディッツは、アニメ専門の編集を行うポストプロダクションで、「ルックバック」をはじめ、人気アニメシリーズ「ダンダダン」など数多くの作品の編集を手掛けている。
廣瀬氏は、美容師から映像業界に飛び込んだというユニークな経験を持つ。さまざまな編集システムや編集ソフトウェアを経て、2022年よりDaVinci Resolve Studioを本格的に社内導入した。
「実写編集と違い、アニメ編集は圧縮された低解像度の素材を使わずに、すでに完成したデータを使って作業します。実写のようにオフラインとオンライン編集に分かれておらず、マスタリング直前までの工程を自分たちでもできるんです。そこで最終的なアウトプットを安心して任せられるソフトウェアを探していました」と廣瀬氏は話す。

「DaVinciは、もともとは高価なターンキーシステムでしたが、個人でも手が届くようになって興味を持ちました。編集だけでなく、1つのソフトウェアにグレーディングやコンポジットの機能も統合されている。また、DaVinci Resolveは柔軟性があります。以前使っていた編集システムは、特定のファイルフォーマットに変換するために素材をシステムにインポートする必要がありましたが、DaVinci Resolveは素材を参照する形で作業できるので、別のソフトウェアを使う必要がある場合も、データを共有しやすいです。」
「ルックバック」では、監督が作成したVコン(ビデオコンテ)をもとに、廣瀬氏が仮のセリフを収録し、DaVinci Resolveのタイムラインに編集し、各カットの尺を決定。その尺に合わせて原画が作成され、それらをタイムラインに編集していくというワークフローだった。また、グレーディングはポストプロダクション株式会社クープが手がけ、DaVinci Resolve StudioおよびDaVinci Resolve Advanced Panelが使用された。
「アニメ作品は差し替えが非常に多く発生します。レイアウトや原画が届いたり、リテイクが発生したり、と工程ごとにタイムラインの更新が必要になります。作業効率を上げるために、テイクセレクターの中に自動的に差し替えのカットが反映されるようにスクリプト化しました。」
エディッツでは、もともと社内にプロジェクトサーバーで編集データを管理していたが、現在はBlackmagic Cloudに移行。アニメシリーズで15本、劇場アニメで6本ほどの作品を常時Blackmagic Cloud上で管理している。

廣瀬氏はこう話す。「すべてのプロジェクトがCloud上にあるので、管理しやすいです。ディレクターや制作会社がDaVinci Resolveを導入していれば、すぐにプロジェクトを共有できます。また、相手がDaVinci Resolveを使ってないときに、ZOOM経由でタイムラインの画面を共有しながらリモート編集することがあります。その際はATEM Miniを使っています。」
「また、外部の制作会社に出向いて編集作業をやって欲しいと頼まれることもありますが、制作会社側にDaVinci Resolveをインストールしてもらい、タイムラインと素材を共有することで、オンラインで素材の差し替えなどの作業ができるので、実際にその場所に出向く回数がぐっと減りました。以前は差し替え用カットが溜まるたびにスケジュールを押さえて作業に出向く必要がありましたが、現在は、自分が空いている時間に対応できるので、すごく楽になりました。」
「編集がアニメ制作のハブになればいいなと思っています」と廣瀬氏は語る。「例えば、制作チームからのデイリー素材を即座に差し替えて、最新のタイムラインをすべてのチームがチェックできる。そうすることで、早期にエラーが発見できたり、進行状況を管理できたりします。また、通常は撮影(コンポジット)のチームが1カットずつ明るさや影を調整しますが、編集タイムラインに並べた状態で見た方が調整しやすい。DaVinci Resolveのタイムラインを共有することで、彼らもシーン全体を見ながら色の調整ができます。」
「すべてのセクションの情報を編集に集約し、僕らが各セクションにその情報を渡す。そのフィードバックがまた編集に集まり、最終的に視聴者に届く。その中心にDaVinci Resolveが据えられると期待しています」と廣瀬氏は結んだ。

お客様の課題や要件に合わせて
製品とワークフローをご提案します
お問い合わせは
こちらから
専門知識を持った担当者が
お客様の課題や要件をお伺いします
お電話でも
お問い合わせできます
平日9:00~18:00