ドキュフィクション映画「Bringing Down a Mountain」の編集にDaVinci Resolve Studioを使用

  • Blackmagic Design

東京、日本 – 2024年3月15日(金) 

Blackmagic Designはこの日、アカデミー賞にノミネートされた新作ドキュフィクション短編映画、「Bringing Down a Mountain(原題)」の編集およびカラーグレーディングに、DaVinci Resolve Studioが使用されたことを発表した。編集にかけられる時間はわずか3週間であったが、DaVinci Neural Engineを使用したAIツールによりポストプロダクション処理がスピードアップした。

「Bringing Down a Mountain」は、オンタリオ州のトロントを拠点とし、研究者および映画監督として活躍するサブハッシュ・パニグラヒ(Subhashish Panigrahi)氏の最新短編映画。これまでの同氏のドキュメンタリー作品とは一線を画す「Bringing Down a Mountain」は、カースト撤廃とインターネット・アクセスとの間で揺れ動く金融包摂をテーマにしたドキュフィクションである。

同作で監督およびエディターを務めたパニグラヒ氏は語る。「『Bringing Down a Mountain』は、インターネットを含め、あらゆる物や人が優れているインドのある都市を舞台にしたオディア語の思索的な映画です。しかし、高い山に囲まれた農村では、インターネットやオンライン上のあらゆる情報が阻まれてしまいます。この作品で私たちは、コミュニティを基盤とし、コミュニティが主導するテクノロジー開発がどのようなものかを再考したいと思いました。デジタルと金融包摂というテーマで、今日のテクノロジーの構築と導入のあり方を考察するものです。」

2017年にナショナル・ジオグラフィック・エクスプローラーとなって以来、パニグラヒ氏は映画制作のキャリアを絶滅危惧言語というテーマに捧げてきた。同氏はこれまでに、消滅しつつある方言をキャプチャーした10本の映画を制作。これには、ネパールの言語、クスンダ語も含まれる。当時クスンダ語の話者は年老いた2人の姉妹だけであったが、現在は復活の途中である。

パニグラヒ氏が手がけるすべてのプロジェクトでは言語が重要な要素となっているが、同氏はDaVinci Resolve Studioのユーザーフレンドリーな字幕ジェネレーターと、AIによる音声テキスト化は、まさにゲームチェンジャーであると評価している。「Bringing Down a Mountain」では、パニグラヒ氏は、自動字幕機能を使用してオーディオを編集タイムラインの字幕トラックに自動的に文字起こしし、後から細かい修正を行ったという。「私の作品では異なる言語が使用されているので、多くの場合、まず英語に翻訳します。これにより、世界中の視聴者のために他の言語に翻訳しやすくなります。DaVinci Resolve Studioを使用すれば簡単に実現できます。」パニグラヒ氏は続ける。最近では、より多くの視聴者に見てもらうために、誰もが字幕を作らなければならないので、元の言語に関係なくこの機能は大きな利点ですね。」

「Bringing Down a Mountain」の編集中、パニグラヒ氏は、編集プロセスの中にFairlightの機能が組み込まれていることを楽しんだという。「ミキシングは編集とは別の作業ですが、編集中にオーディオ圧縮やフィルターを使用できるのは嬉しかったですね。書き出す前に最後にオーディオのバランス調整を行う時、非常に使いやすくて便利でした。」パニグラヒ氏は続ける。

「また、DaVinci Resolveではビデオとオーディオのファイルを、簡単にロックすることができました。以前は他のNLEソフトを使用していたのですが、常にオーディオとビデオの同期が課題でした。編集が終わったと思ったら、オーディオとビデオが合っていないということもあったのですが、DaVinci Resolveに移行してからは、このような問題はありませんね。」パニグラヒ氏はさらに続ける。単一のソフトウェアですべての処理を行えるのは、ポスプロにおいて堅実なアプローチだと思います。編集中にVFXの作業を行うことはほとんどありませんが、Fusionページも必要な時にすぐ使えるのは嬉しいですね。」

最初の2作品ではDaVinci Resolveを使用したが、パニグラヒ氏はその後「Bringing Down a Mountain」を制作するにあたり、DaVinci Resolve Studioへとアップグレードした。「そもそもDaVinci Resolveを使い始めた理由は、非常に低照明条件で撮影された『The Volunteer Archivists』というドキュメンタリーを、前のNLEソフトウェア使って編集していた時に、つまずいてばかりだったからです。それ以来振り返らずに、DaVinci Resolve Studioを使用して、もっとこのプロジェクトで色々試して見たいと思うようになりました。」パニグラヒ氏は説明する。「Magic Maskの機能は特に気に入っています。Studio版に搭載されているDaVinci Neural Engineでは、直感的なオブジェクトマスクを使用して、ビデオの動きのある部分を遥かに簡単に自動的にマッチできます。また、ショットマッチ機能で、グレーディングで大幅に時間を節約できました。」

スピードとレンダリングの性能がDaVinci Resolve Studioの主な利点であることはもちろん、その可搬性も重要な鍵であるとパニグラヒ氏は語る。「私も含め、多くの人があちこちの現場で編集を行っています。移動中に作業しているか、カフェで作業しているかに関わらず、DaVinci Resolve Studioは素晴らしく機能します。充電器がなくても編集でき、バッテリー切れを心配する必要もありませんでした。」 「『Bringing Down a Mountain』は映画祭の締め切りに間に合わせるために急いで仕上げる必要があったのですが、このようなプロジェクトでは特に重要でした。この作品は2023の11月にコスタリカでプレミア公開しましたが、編集にかけられる時間は3週間だけでした。DaVinci Resolve Studioがなければ、間に合わせることができなかったでしょう。」パニグラヒ氏は最後こう結んだ。

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