Hangman、DaVinci Resolve Studioで音楽ドキュメンタリー「Life in Six Strings」にスタイリッシュなハーモニーを追加

  • Blackmagic Design

東京、日本 – 2023年12月14日 (木) – Hangmanは、AXS TVの全8話構成のドキュメンタリーシリーズ「Life in Six Strings」の制作にDaVinci Resolve Studioを最近導入した。このシリーズでは、ジャーナリストのカイリー・オルソン(Kylie Olsson)氏が、世界の著名なギタリストに対して台本なしの核心に迫ったインタビューを行う。

ミュージシャンの自宅や関連のある場所でオルスン氏がインタビューする様子は映画を思わせる映像で、このシリーズが実際はラン&ガンで撮影されたとは想像できない。これは、Hangmanの創始者であるジェイムズ・トンキン(James Tonkin)氏のルックにおけるガイダンスとポストプロダクションによるところが大きい。

ロンドンに拠点を置く制作スタジオを経営するだけでなく、同氏はイギリスで最も需要の高い音楽ドキュメンタリーのディレクターの一人であり、これまでに、ローリングストーンズ、U2、AC/DC、テイラー・スウィフトなどの多数のアーティストの作品を手がけてきた。

「本シリーズのクリエイターでディレクターであるカイリー・オルソンに撮影監督とポストプロダクションの監督として招かれました」と同氏は説明する。「最初の2話を私が撮影し、シリーズの視覚的トーンとスタイルを決めました。また、Hangmanでラッシュの受け取りから最終的な仕上げまでポストプロダクションすべてを手がけました。」

「日常の自然な姿を撮ったシリーズとは異なる作品にしたいと考えていました」と同氏は続ける。

ディレクターが映画「アリー/ スター誕生」のファンであることが同氏のビジョンに影響を与え、アナモルフィックレンズを使用し、ジンバルに載せた長回しを用いた撮影が行われ、これらにハンドヘルドのカットアウェイが挿入された。また、スタッフが別の車で後ろから追う中、特別なリグに載せたカメラで撮影された車内での個人的な会話も所々で使用された。

「高速で、流動的で、1日ですべて撮影しました。カイリーは誰かの自宅に行き、中に入り、家の人と話を始めたいと考えていました」と同氏は語る。「そういったことから、事前に家の中に照明を設置する時間はありませんでした。滞りなく進み、ぶっつけ本番で撮影を行いましたが、全体を通して、考え抜かれた美しいショットであるように見える必要がありました。」

ポストプロダクションにおけるコラボレーション

ポストプロダクションにはDaVinci Resolve StudioとBlackmagic Cloudが使用され、Hangmanは、編集、グレーディング、フィニッシング、HDでの納品用の4Kマスタリングなど、同作のポストプロダクションにおいて共同作業を行った。

「プロジェクトをセットアップして、リンクをオフラインエディターに送信し、ラッシュのプロキシにアクセスできるようにするだけでした」と同氏は説明する。「エディターたちは、プロジェクトを開くと私が見ているのと同じものを見ることができます。」

同氏は編集ツールとしてのDaVinci Resolve Studioの汎用性と効率性の高さにより、編集と映像のフィニッシングの移行をすばやく行えたと語る。「Resolveは編集ツールとして素晴らしいですね。すべてが一つのソフトウェアに収まっていることがその強みだと思います」と同氏は続ける。

「オフラインエディターのリー・ブルックス(Leigh Brooks)が、作業完了後に、ロックしたDRTファイルを音響をAAFにセットアップした状態で送信してくれました。各エピソードは22分で、ファイルを受け取ってから1時間以内にコンフォームとカラーグレーディングを開始できました」と同氏。

DaVinci Neural Engine

ポストプロダクションの最終段階では、カラーグレーディング、スタビライズ、アスペクトレシオの調整、ショットの強調に焦点が置かれ、オリジナルの6K RED R3Dソースファイルで直接作業が行われた。ハイライトの白飛びなどの問題は、DaVinci Resolve StudioのMagic Maskツールを用いて解決された。

「最終話で、車内から映った空が完全にクリッピングしていたので置き換える必要がありました。Magic Maskを使用して、まず人物を識別・分離して、その後に空で同様の作業を行い、別のノードで空の置き換えを実行しました。これにより、白飛びした空に色相を追加できました」と同氏は語る。

DaVinci Resolve StudioのAIによる自動字幕機能は、ポストプロダクションの過程を大幅に合理化した。特に、本シリーズは会話が多いため、この機能が大いに活躍したという。「各エピソードは最初から最後まで会話が占めています。しかし、ResolveのAIでは、音声の分析と文字に起こしに要する時間は3〜4分です。修正が必要な場所があるかもう一度通して見ましたが、90%を超える精度だと言えますね」と同氏は続ける。

「以前は納品要件としてクローズドキャプションが含まれていると、仕事の創造的な側面に費やすべき時間を削らなければなりませんでした。しかし、現在はDaVinci Resolveで処理でき、追加でかかる時間は約30分だけになりました。」

フィルムグレインのレイヤーが追加され、同作の音楽的テーマに基づいたアナログの暖かみが盛り込まれた。「調整フィルターとしてグレインを追加できるのは本当に素晴らしいと思います。そのレイヤーの上にタイトルを追加でき、文字の上にグレインが表示されることはありません。CMのタイミングでこの調整レイヤーを取り除き、1秒間の黒い画面を追加します。調整レイヤーを使用することでルックが維持でき、必要に応じてそのルックを取り除くこともできるので助かりました」と同氏は説明する。

4Kでのマスタリング

同氏は、各エピソードにポストプロダクションの時間を約6時間割り当てた。「まず4Kマスターを作成し、AXS TVへの放送用にHDのMXFで書き出しました。この書き出したファイルと字幕ファイル、マルチトラックの14ステムのオーディオをMedia Shuttleで納品するのに要した時間は10分でした。」

「AXS TVは素晴らしいパートナーですが、これを独力でまとめ上げたカイリーにも敬意を表したいと思います。カイリーは、インタビューしている相手から優れた物語を引き出す力を持っています。グレーディングとフィニッシングにおける微調整のおかげで制作価値が高い作品となりましたが、最も重要なのは内容です」と同氏は締めくくった。

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