Blackmagic Design、新製品DeckLink IP HDを発表

  • Blackmagic Design
Blackmagic Design、新製品DeckLink IP HDを発表

ST 2110ベースのIP放送システムに対応したキャプチャー・再生PCIeカードの新シリーズ。

NAB 2023、アメリカ合衆国ラスベガス – 2023年4月16日 (日) – Blackmagic Designはこの日、10-bitの非圧縮放送品質ビデオをST 2110ベースのIP放送システムで直接キャプチャー・再生可能なPCIeカードの新シリーズであるDeckLink IPを発表した。DeckLink IPカードは複数ビデオチャンネルに対応していることに加え、各チャンネルで同時にキャプチャー・再生可能。すべてのビデオのキャプチャー・再生がDeckLink IPのフレームバッファーを用いて行われるため、IPネットワークの安全性が守られる。フレームバッファーは、ビデオ用のファイアウォールのように機能し、イーサネットポートがビデオやオーディオ以外からは隔離される。DeckLink IPは、6旬よりUS$345〜でBlackmagic Design販売店にて発売予定。

DeckLink IPは、NAB 2023のBlackmagic Designブース(#N2601)にて展示される。

DeckLink IPカードは、ST 2110ベースのIP放送システムで直接ビデオをキャプチャーし、再生する最も簡単なソリューション。他のDeckLinkと同じ機能に対応しているので、既存のソフトウェアで使用可能。つまり、放送グラフィックやバーチャルセットを生成したり、GPUベースのAIイメージ処理を行うサーバーラックを構築し、ST 2110ベースのIP放送インフラに直接統合できる。DaVinci ResolveをST 2110ベースのIP放送用の編集ワークステーションとして使用することも可能。DeckLink IPは高速PCIe接続に対応しているため、最新のMac Pro、Windows、Linuxコンピューターで使用できる。

新製品DeckLink IPシリーズは、3機種を展開している。DeckLink IP HDは、単一のRJ45スタイルのイーサネット接続を介して、ST 2110ベースのIP放送システムで3チャンネルのキャプチャー・再生が可能。DeckLink IP HD Opticalは、単一のSFPベースの光ファイバーイーサネット接続を介して、ST 2110ベースのIP放送システムで3チャンネルのキャプチャー・再生が可能。DeckLink IP/SDI HDは、3G-SDIおよびST 2110ベースのIPシステムの両方に接続可能。この機種は、RJ45イーサネット、3G-SDI、リファレンス出力を介して、ST 2110ベースのIP放送システムで2チャンネルのキャプチャー・再生ができる。全機種は、1080p60までのあらゆる720p、1080i、1080pビデオフォーマットに対応。

Blackmagic Design、新製品DeckLink IP HDを発表

DeckLink IPカードは、IPビデオ規格であるSMPTE ST 2110に準拠している。SMPTE ST 2110は、IPネットワークを介して放送するビデオ、オーディオ、補助データの伝送、同期、定義を規定する規格だ。また、ビデオソースの同期にはPTPクロックが使用される。DeckLink IPは、SMPTE-2110-20の非圧縮ビデオ、SMPTE-2110-21のトラフィックシェーピング/タイミング、SMPTE-2110-30のオーディオ、SMPTE-2110-40の補助データに対応。SMPTE 2110の大きな利点は、すべてのビデオ、オーディオ、補助データがネットワーク上を個別に伝送されることだ。また、DeckLink IPはマルチキャストにも対応。これは、ビデオ、オーディオ、補助データを単一のソースから複数の送信先に送信できる極めて効率的な方法だ。

コンピューターとST 2110ベースのIPビデオネットワークの問題点は、悪意のあるソフトウェアやハッカーに対する脆弱性があることだ。これは、コンピューターのイーサネット接続に誰もがデータを送信できるからだが、DeckLink IPはすべてのビデオをフレームバッファーを用いて伝送するため、この問題が生じない。ビデオ用のファイアウォールが搭載されているように機能する。これは、DeckLink IPのイーサネットポートが、ビデオやオーディオ以外からは隔離されていることを意味する。代わりに、他のDeckLinkカードの機種と同様に、ビデオとオーディオはDeckLinkのフレームバッファーに転送され、そこでビデオの再生が管理され、次にST 2110のIPビデオチャンネルに変換される。これにより、悪意のあるソフトウェアやハッカーがST 2110ベースのIPネットワークに直接アクセスすることは不可能となる。

高速の4レーンPCI Expressインターフェースを搭載しているため、DeckLink IPはホストコンピューターとPCIe接続できる。これにより、複数のHDビデオチャンネルを扱い、各チャンネルを同時にキャプチャー・再生できる速度を得ることが可能。PCI Expressはレイテンシーが非常に低く、ビデオをキャプチャーまたは再生しているソフトウェアと極めて正確な時刻同期が可能。シンプルで、低コストの4レーンPCIe接続を使用して、このような性能が得られるのはDeckLink IPカードだけだ。つまり、DeckLink IPをコンパクトな低コストのコンピューターにインストールできる。また、DeckLink IP HDとDeckLink IP HD Opticalはロープロファイルであるため、ラックマウントサーバーにインストール可能。

DeckLink IPの接続はマルチレートなので、あらゆるSDおよびHDフォーマットに対応している。DeckLink IP/SDI HDは、同じカードでST 2110ベースのIPシステムと3G-SDIへの接続をサポートしているため、既存のあらゆるSDI放送機器に接続でき、同時に新しいIPベースのインフラにも接続できる。あるいは、ローカルモニタリングのために、3G-SDI出力のみを使用することも可能だ。SDは、525i59.94および625i50の両方のフォーマットに対応。HDは、720p60までのあらゆる720pビデオ、1080i60までのあらゆる1080インターレースフォーマット、1080p60までのあらゆる1080pフォーマットをサポート。カードが瞬時に新しいビデオフォーマットに切り替えるため、複雑な切り替えは不要。

DeckLink IPカードは、最高品質のビデオに対応できるように設計されている。Apple ProRes、DNxHDなどの広く使用されているビデオフォーマットに加え、10-bit非圧縮のキャプチャー・再生にも対応しているので、一つのファイルフォーマットに制限されることはない。10-bitは、8-bitビデオの4倍の精度で色を表現できるため、テレビで最も広く使用されているフォーマット。10-bit非圧縮ビデオでは、すべてのイメージはソースとピクセル単位で完全に一致するコピーであるため、常に最高品質で作業を行える。つまり、極めてシャープなグリーンバックのキーイング、継ぎ目のないVFX合成、優れたカラーコレクションを実行できる。

Blackmagic Design、新製品DeckLink IP HDを発表

DeckLink IPは広く使用されているビデオソフトウェアをサポートしているため、使い慣れたツールで作業可能。DaVinci ResolveをST 2110ベースのIP放送用の編集・カラーコレクション・ソリューションとして使用するのに最適だ。DeckLink IPはキャプチャー・再生を同時に実行できるので、DaVinci Resolveのライブグレーディング機能を使用して、ビデオのキャプチャー、カラーコレクションの適用、そして出力を同時に行うことも可能。また、Final Cut Pro、Media Composer、Premiere Proなどの編集ソフトウェアなどとも機能する。Fusion、After Effects、Photoshopで優れたVFXを作成することもできる。WindowsのWDMドライバーも同梱。

大規模な放送ネットワークであっても、ローカルテレビ局であっても、放送プログラムを遠隔操作する必要がある場合、放送オートメーションシステムへのDeckLink IPの組み込みは簡単に実行できる。優れたオートメーションツールは多数あり、MacプラットフォームではTools On Air just: Broadcast Suite、Softron OnTheAir、MovieRecorder、OnTheAir CGを使用可能。Windowsプラットフォームでは、Vidblaster X(Studio/Broadcast)、Uniplay、Playbox AirBoxと互換性がある。これらのパワフルなツールは、あらゆるタイプの放送オートメーション・タスクを管理するためにDeckLink IPと使用でき、現在、世界各地にある数千のテレビ局で使用されている実証済みのソリューションだ。

DeckLink IPは他のDeckLinkカードと同様に機能するので、人気のビデオやオーディオ配信ソフトウェアと完全な互換性がある。つまり、配信ワークステーションを構築できるため、世界中の何百万人ものオンライン視聴者に対してライブ配信を行える。Macでは、Open Broadcaster、Wirecast、Livestream Producerなどの優れた配信ソリューションを使用可能。Windowsでは、Open Broadcaster、Xsplit Broadcaster、Wirecast、Livestream Producerを使用できる。DeckLink IPでは、ST 2110に準拠したあらゆるIPフィードをライブストリームに変換し、必要な数だけのオンラインプラットフォームに送信可能。あるいは、ATEM Streaming Bridgeと併用すると、遠隔の放送ネットワークとリンクさせることも可能。

DeckLinkカードにはMac、Windows、Linux用の高度なデベロッパーSDKが無償で同梱されている。デベロッパーSDKを使用すると、社内用、あるいは他の放送局に販売するための独自のソリューションの開発を簡単に行える。DeckLink SDKは柔軟性が必要な場合には、ハードウェアのコントロールが低水準で実行でき、一般的なタスクには、使いやすい高水準のインターフェースで作業できる。何千ものメーカーやデベロッパーがBlackmagic DeckLinkカードを製品に使用しているので、商業品質の放送ソリューションの開発においてDeckLink SDKを使用することで、強固な基盤のもと作業を安心して行える。

「10-bitの非圧縮ビデオをST 2110ベースのIP放送システムで直接キャプチャー・再生可能なソリューションに対する要望が多くのデベロッパーから寄せられていました」と語るのは、Blackmagic Design CEO、グラント・ペティ。「DeckLink IPの非常にエキサイティングな特徴は、安全なビデオネットワークを提供する点です。フレームバッファーが、ビデオ用のファイアウォールのように機能し、悪意のあるソフトウェアやハッカーからネットワークを守ります。つまり、デベロッパーはDeckLink IPを使用することで、極めて安全性の高いST 2110ベースのIPビデオネットワークを構築できるようになりました。」

Blackmagic Design、新製品DeckLink IP HDを発表

ご購入と価格

DeckLink IPは、Blackmagic Design販売店にて6旬よりUS$345〜で発売予定。

フォト

DeckLink IPおよび他のBlackmagic Design製品の写真はこちらwww.blackmagicdesign.com/jp/media/images

会社概要

Blackmagic Designは、映画、ポストプロダクション、放送業界に向けて世界最先端のビデオ編集製品、デジタルフィルムカメラ、カラーコレクター、ビデオコンバーター、ビデオモニタリング、ルーター、ライブプロダクションスイッチャー、ディスクレコーダー、波形モニター、リアルタイム・フィルムスキャナーを開発している。Blackmagic DesignのDeckLinkキャプチャーカードは、その品質と価格で放送業界に革命をもたらした。また、エミー™賞を受賞したDaVinciカラーコレクションシステムは、1984年以降、テレビ、映画業界の中心となっている。

Blackmagic Designは、現在も6G-SDI、12G-SDI製品、ステレオスコピック3D、Ultra HDワークフローなどの独創的な革新を続けている。世界をリードするポストプロダクションエディターやエンジニアにより設立されたBlackmagic Designは、現在アメリカ合衆国、イギリス、日本、シンガポール、そしてオーストラリアにオフィスを構えている。詳細はwww.blackmagicdesign.com/jp

記事をシェア

お客様の課題や要件に合わせて
製品とワークフローをご提案します

お問い合わせは
こちらから

専門知識を持った担当者が
お客様の課題や要件をお伺いします

お電話でも
お問い合わせできます

平日9:00~18:00

03-3518-6273