Haivisionの高い信頼性と伝送品質を信じて実施した中継配信 リュック一つの制作機材で結果的に現地スタッフ12人減を実現

  • IP
  • イベント
  • クラウド活用
  • スポーツ
  • 映像伝送
  • #Haivision
  • #IP伝送
  • #Makito X4
  • #SRT
  • #映像伝送

Apollo Productions(株式会社Candee) 様

電話でお問い合わせ

平日9:00~18:00
03-3518-6273

目次

13年前の発足時から、いかにテレビ寄りの高いクオリティーを伴った映像制作・配信を少人数・低予算で行うかについて追求し続けている、株式会社Candee(東京都千代田区)内の配信技術のエキスパート集団Apollo Productions。そんな同社が神戸でのカードゲーム大会の中継・配信においてSRTによる映像伝送を活用し、画づくりは妥協せず現地への展開を最小限の人数にて制作を行うことに挑戦、結果的に従来の19人から12人減の7人での制作を達成した。その制作環境を支えたのがHaivisionのライブIPエンコーダー/デコーダー『Makito X4』。この『Makito X4』を中継配信で導入した経緯、実際の運用についてApollo Productions Technical Divisionの岩田 将昌 氏、朴 潤 氏からお話を伺った。

ポイント

  • SRTにより現地SW不要、東京側スイッチャーによる遠隔スイッチングを実現
  • 放送品質を担保しつつ12人減の省力化、少ないディレイによる現場での柔軟な運用
  • スムーズなやり取りでストレスなく『Makito X4』をフォトロンからレンタル

心に響いた協業先の一言“信頼性が高いのはHaivision”

岩田 将昌 氏

「もともと音声のIP伝送(AoIP)について興味を持っていて、それを調査する際にInter BEE会場で『Makito X4』の存在を知りました。当時はSRTのことも知らず、『Makito X4』の第一印象は“4chいける!”。活用して何か面白いことができないか、でしたね。」岩田氏はHaivision『Makito X4』を知ったきっかけについてこのように語る。
Apollo Productionsの原点は発足当時に最盛期を迎えていた配信プラットフォームにて、最小限の制作スタッフで素人参加型の多種多様なコンテンツに対して、撮影手法や音声の演出をどのように駆使して質を落とさず面白く、かつ時間をかけずに作り上げ配信するか試行錯誤を繰り返していたこと。そういった流れがSRTと結びつき、今回の『Makito X4』を使った配信にもつながっている。
「その後、映像伝送規格としてのSRTを知り、公衆回線活用、低コストかつ高品質という特長を理解したため、活用の可能性を探っていました。そんななかで今回のイベント配信でも協力してもらった大阪の協業先の方から聞いた、Inter BEEのセミナーでの話がすごく心に響いて。それは“SRT伝送は機器の相性があり、信頼性が高いのはやっぱりHaivisionだ”というワンワードでしたね。」

高品質、少ないディレイ、コスト削減の訴求でリモート実現

今回の神戸からの配信での『Makito X4』の活用のきっかけは、制作サイドから投げかけられたコストの圧縮要請だったという。
「技術スタッフの移動費、宿泊費、地方に持ち出す機材、そしてそれに要する日数を削減できないか、という内容でした。具体的にはイベント現場にスイッチャーや大規模なオペレーション機材を組まず、すべてのスイッチング作業を東京側で行うというもの。その話を聞いて思ったことは、これはもうHaivisionを活用し、高い信頼性と品質を担保できるSRTのリモートプロダクションでやるしかない、でしたね。ただ前例がないため、SRTの3つのメリットをクライアントに訴求することで実現につなげました。」
岩田氏が訴求したメリットは次の3点。

① 『Makito X4』活用による技術品質の担保
② ディレイが少なく、リニアに近い伝送が可能
③ 機材を減らせるためスタッフ人数を含めたコスト低減

「①については、SRTは高画質とあわせて映像が落ちない印象をもっていたため、完全に伝送が切れないことを前面に押し出し、理解してもらいました。②についても通常3秒以上持たせているレイテンシーを短縮可能と説明しています。③はいくつかありますが、代表的なものとしてボンディング装置の削減です。『Makito X4』利用で従来は1ch入力のボンディング装置を4台用意する必要がありましたが、『Makito X4』1台で対応可能となるため、その機材コストがなくなります。またSRT利用による公衆回線活用でネットワーク構築の費用や手間を削減し現場での作業ハードルを下げることができるので、機材を扱う専門の技術スタッフも削減できます。これらを試算のうえ明示しました。
実際のところそれまでやったことのない新しいことをやる場合、私が逆の立場でも“怖いから対策を色々やってよ”という話になりますが、前述の内容、特にコスト面を丁寧に説明することでクライアントには納得してもらいました。コストを圧縮できるならぜひやってみてよ、というクライアントのプッシュ姿勢にも助けてもらいましたね。」(岩田氏)

朴 潤 氏

人員減とSRTのディレイ把握が大きな成果

今回のイベント概要図

とはいえ実施に至るまではヒヤヒヤだったという岩田氏。今回の配信はフォトロンからレンタルした『Makito X4』による高品質な伝送と、東京側での確実なデコードおよびスイッチングという構成で実施している。
「今回の配信では、イベント会場に設置した7台のカメラ映像をすべて『Makito X4』でエンコードして、臨時敷設した会場のIP公衆回線で東京に伝送。東京側ではリアルタイムでスイッチングを行いました。我々が現場に持ち込んだものは『Makito X4』と制御監視用のノートPCくらいで、荷量はリュック一つでした。またネットワーク周りの設定が簡易化されるため、機材のセッティングも含め従来なら現地への展開が19人必要なところ7人ですみ、12人の削減に成功しています。機材が少ないので、イベント後の機材発送の手間が減るという“副産物”もありました。」 
今回のイベントでは解説者を含めた演者も神戸へ行かず、東京で伝送された映像を見て解説していた。そのため技術スタッフだけでなく、演者の現地への移動にかかる交通費や宿泊費といったコストも削減につながっている。さらに『Makito X4』を東京側から制御するにあたり、UIが「カッコよく」使いやすかったというのもポイントだったと岩田氏は話す。

Haivision Makito X4 UIイメージ


また現場では一切の収録遅延なく運用を完了し、スタッフから遠隔での伝送にとても安心感があったと声も多かったそうだ。実際に伝送時のSRTのディレイの少なさから、東京の解説者と会場の優勝者とのインタビュー進行が滑らかで解説者が驚いていたり、東京と会場のスタッフ間のやり取りに使っていたチャットアプリのビデオ通話よりも配信の方が遅延が少なくて面食らったりというエピソードも。そういった点からも、現場の負担軽減と運用の効率化に『Makito X4』が大きく寄与しているとの評価となっている。
さらに実施によりいくつかの改善点も見えたという。特に今回は回線数圧縮のため、7chある映像ソースのうち、プライオリティの低い映像ソースをスイッチャーで4分割しトータル4chを伝送していた。クライアントからは何もなかったものの、技術者目線ではその4分割した映像ソースは圧縮されすぎていたと岩田氏は感じていた。そのため次回の現場では『Makito X4』を増設し、回線をまとめずそれぞれ伝送する方針だという。ただ同時に伝送の安定性の確認にもつながったため、挑戦の結果として回線数の判断につながるナレッジになったとも語っている。
「やっぱり使ってみてわかることがたくさんありますね。今回は帯域や速度も含め様々な検証もできたので、気づきも多かった。やってみて、意外と一人で興奮していました(笑)」

『Makito X4』活用で今後も高品質の配信を目指す

今回の配信にあたり、フォトロンのサポートについて『Makito X4』のレンタルにおける事前のやりとりを評価いただいている。
「もともとフォトロンとは別の担当を通じての機材の貸し借りを行っていました。その際の技術的な質問を含めたやり取りがとてもスムーズという印象を持っています。今回も段取りがスムーズに行えたのは、フォローが的確だったから、という印象です」(岩田氏)
「フォトロンへのお願いとしては地方拠点を活用した、トラブル時の映像伝送機器レンタルのサポート体制ですね。」(朴氏)
岩田氏は最後に、ネットワークを活用した映像制作についてのフォトロンへの要望と展望を次のように語っている。
「例えば機材レンタルだけではなくクラウド環境の設計構築とか、いくつかのパターンで提案してもらえると助かりますね。例えば、リモート、サブ、中規模、大規模といった、クラウドも絡めた案件の規模に応じたワークフローの提案ですね。ちなみにクラウドは従量課金でクライアントへ提案が難しいので、わかりやすい料金体制だとありがたいですね。
我々としても今回のイベント配信は従来のSDI中心の中継構成から、IP伝送への移行に対する手応えを得ました。『Makito X4』の高品質な映像伝送能力と、フォトロンの柔軟な技術対応により、今後さらなる現場最適化や遠隔制作の機会が広がると考えています。今後もフォトロンと連携し、次なるステップとして低遅延通信のさらなる最適化や、双方向通信環境の構築などに取り組んでいきたいと考えています。」

(取材:2025年7月)

導入製品

Apollo Productions(株式会社Candee)様 Webサイト
https://apollo-prod.com

レンタル申込・お問い合わせフォーム


フォームが表示されるまでしばらくお待ち下さい。

恐れ入りますが、しばらくお待ちいただいてもフォームが表示されない場合は、こちらまでお問い合わせください。

お客様の課題や要件に合わせて
製品とワークフローをご提案します

お問い合わせは
こちらから

専門知識を持った担当者が
お客様の課題や要件をお伺いします

お電話でも
お問い合わせできます

平日9:00~18:00

03-3518-6273