労働基準法の改正を前に、CLEVAS Cloud で協力会社への研修をオンライン化。研修・業務の効率化に成功

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株式会社大林組 様

オフィスや工場をはじめ、商業施設やインフラ施設など、数多くの建設プロジェクトを手がける株式会社大林組。同社では、残業時間の上限を設けられた改正労働基準法が、2024年に建設業にも適用されることを見越し、働き方改革を進めています。
建設業界では多くの協力会社と連携してものづくりに取り組むため、教育研修が欠かせません。同社では、研修にかかる現場職員の負担を減らし、残業が少なく、より効率的な教育研修をおこなうため、オンラインによる動画研修システムを構築しています。
今回は、学習動画共有プラットフォームCLEVAS Cloudを導入した経緯や効果、今後の展望について、DX本部 生産デジタル部 生産第二課 担当課長 金光陽子氏と、建築本部 本部長室 働き方改革推進課 課長 浅野寛治氏、同 副課長 栗原麻紀氏にお話を伺いました。

株式会社大林組

導入製品
導入前の課題
  • 業務効率化、教育のボトムアップを図るため、協力会社向けの研修をオンラインでいつでも見られる環境を作りたい
導入後の効果
  • 集合形式の研修から脱却し、すきま時間も活用できるようになったことで、業務の効率化に繋がった
  • 動画を1カ所で管理することで、ナレッジを共有し教育のボトムアップができた
目次

CLEVAS Cloudでマニュアルやスキルアップ研修の動画を管理

大林組では、多くの協力会社と建設プロジェクトを進めるうえで、安全ルールの周知やスキルアップのための研修をおこなっています。その研修動画をクラウドで管理し、時間・場所に関わらず視聴可能にしているシステムが「CLEVAS Cloud」です。
現在、協力会社向けに展開している動画は約110本。各種マニュアルや、情報セキュリティ・安全性・スキルアップを目指すコンテンツなど、さまざまな動画を制作しています。短い動画では2〜3分、長くても10分程度の動画にすることで、ちょっとしたすきま時間にも見られるように工夫しています。
また、CLEVAS Cloud上の動画を連携させて、現場のデジタルサイネージにも投影している、と栗原氏は話します。
『現場スタッフの目に入りやすいため、特に周知したい内容の動画を流すのに最適です。クラウドで管理しているため、動画の内容に変更があった時も、CLEVAS Cloud上の動画を差し替えれば、どの現場でも最新の動画を投影することができます。動画を最新版に差し替え忘れて古いバージョンの動画を流していた、という心配がないのがメリットですね』
同社では、このCLEVAS Cloudをさらに活用してもらおうと、新しい動画やおすすめ動画の情報を月に1〜2回、社内や協力会社の方に向けて発信し、周知に取り組んでいます。

浅野寛治氏、栗原麻紀氏、金光陽子氏

働きやすい環境づくりのため、研修の効率化が課題に

CLEVAS Cloudの導入に至るには3つの背景がありました。

1つ目は「“建設業の2024年問題”への対応」です。
2024年4月からは、残業規制が盛り込まれた「改正労働基準法」が建設業にも適用されます。この労基法改正へ向けて「いかに現場の業務効率化を図り生産性を向上させるか」が急務となっています。そこで同社では「現場のムリ・ムダ・ムラ改善」と称した取り組みを開始。
栗原氏によると、現場社員との意見交換では「同社のルールや現場に必要な知識を協力会社の担当者から作業員の方まで幅広く理解をしてもらう」ことに現場職員の業務負担がかかっており、改善を求める声が多く挙がったと言います。ルールを効率的に周知するためのシステム作りが必要でした。

2つ目は「サステナブルサプライチェーン※の構築」です。
大林グループは「中期経営計画2022」の中で「サステナブルサプライチェーンの構築による競争力強化と担い手の確保」というテーマを掲げています。そのためには、協力会社が働きやすい環境づくり、教育の水準を引き上げることが課題でした。

3つ目は「集合形式の研修をオンラインへ移行」です。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、各支店に協力会社を呼んで実施していた教育セミナーや説明会等の実施が難しくなりました。
『コロナ禍以前は、半期に1度、1コマ40人程度の教育セミナーを集合形式で実施していました。協力会社から合計で約300人が本社に来ていましたが、コロナ以降はそうした集合形式でセミナーをおこなうことができなくなってしまったのです。そのため、場所・時間に左右されず、遠隔でもおこなえる効果的な教育指導・自己啓発方法の検討が必要でした』
研修にまつわる業務効率化、協力会社の教育ボトムアップを図るため、同社は協力会社向けの研修をオンラインでいつでも見られる体制を作ることとしました。

※サステナブルサプライチェーン:サプライチェーンにおける、労働環境、教育、人権尊重などのサステナビリティの実現を目指した取り組み

比較検討は30社以上。機能要件をすべて満たしたフォトロン社に決定

CLEVAS Cloudを導入する前に、動画関連サービスで30数社の情報を収集。そこから教育動画サービスの必須要件と要求回答書の結果で詳細な機能要件を確認し、5社に絞られたと言います。
最終的にCLEVAS Cloudを選んだ理由は「協力会社からの利用申請が可能で、サービスのセキュリティも問題なかった」ことでした。
金光氏は次のように振り返ります。
『協力会社のスタッフのアカウント登録を本社でおこなうのは、手間がかかってしまい非効率です。ユーザーである協力会社の方が直接登録できるシステムを希望していました。また、社内だけでなく協力会社も使うものなので、セキュリティのチェックは慎重におこないました』
さらに、アカウント数をあまり増やせないサービスが多い中、CLEVAS Cloudはアカウント数が多くても対応可能なことも決め手の一つだったと言います。

見たいときに、いつでも見られる研修体制を実現

現在、同社のCLEVAS Cloudへの登録社数は約1,200社、同社建築部門の職員を含めると登録者数は7,000名を超え、多くの方に動画を見ていただいています。
栗原氏は『ログインしなくても見られる動画も一部用意しており、そうした公開動画を含めると、視聴累計は14,000回(2023年1月時点)を超えました』と話し、その需要の大きさに手応えを感じています。
本格的な運用はこれからですが、現時点で2つの効果を感じているそうです。

1つ目は「業務効率化に繋がった」ことです。
CLEVAS Cloudによって、見たい人が見たい動画を、いつでも見られる仕組みができました。集合形式の研修から脱却したことで、参加者は研修に参加するためにまとまった時間を確保したり、往復の時間をかけて足を運ぶ必要がなくなったのです。
『すきま時間も活用できるようになったことで、協力会社の業務効率化に繋がっています。また、教える側も、その都度説明したり研修をおこなったりする時間を削減できました』

2つ目の効果は、「ナレッジを共有することで教育水準の底上げができた」ことです。
基本的なマニュアルなどの動画を本部で作り、CLEVAS Cloud上で一括管理することで、各支店で同じ内容を共有できるようになりました。また、アンケート機能も活用しており、「分かり易い」「理解できた」という感想や、「○○も見たい」等の要望をいただくこともあり、着実に効果が得られていると感じているそうです。

実際に学習動画で効果を感じたケースとして、栗原氏は「労務安全書類(グリーンファイル)」を具体例として挙げました。
『建設業では、グリーンファイルと呼ばれる労務安全管理のために必要な書類を各協力会社が作成して提出する必要があります。これまでは新規の協力会社に対して必要書類の書き方や提出方法などを各支店でバラバラに研修していましたが、「研修を担当する人によって、クオリティにばらつきが出る」「集合研修に参加できない場合にはフォローアップが大変」といった課題があり、結果的に書類の不備なども多くありました。CLEVAS Cloudでこれらの各是正対応に関する説明動画を掲載したことで、周知するための時間を効率化することができました。短時間の動画なのですきま時間を活用でき、各自で時間を見つけやすく実際に視聴回数も増えています。今後は書類の不備が減るのではないでしょうか』と栗原氏は期待しています。

2022年度に運用を開始し、これまでに周知・視聴してもらう環境づくりに取り組んできた同社。浅野氏と栗原氏は「一定の効果を得ながら、整備をおこなうことができた」と話します。
最後に、今後の展望について次のように語りました。
『今後は、タグ検索の機能を使い利便性も高め、「視聴しやすい・視聴したくなる」をテーマに取り組んでいくつもりです。また、認証システムとの連携によりさらに業務を効率化していきたいと思っています』

ワークフロー

USER PROFILE

理念

大林組がめざす姿、社会において果たすべき使命
「地球に優しい」リーディングカンパニー
1. 優れた技術による誠実なものづくりを通じて、空間に新たな価値を創造します。
2. 地球環境に配慮し、良き企業市民として社会の課題解決に取り組みます。
3. 事業に関わるすべての人々を大切にします。
これらによって、大林組は、持続可能な社会の実現に貢献します。

株式会社大林組 様

代表取締役 社長 兼 CEO
蓮輪 賢治
所在地
東京都港区港南2丁目15番2号
創業
1892(明治25)年1月

※ この記事は2023年4月取材時の情報です

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