看護学のシミュレーション教育の現場で収録・配信システムが学習効果を高める一助に

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京都橘大学 様

京都橘大学様

京都橘大学は、1902年に創立した京都女子手藝学校として創立。その後、橘女子大学を前身とし、1967年に京都市山科区に開学。その後、2005年に男女共学化により大学名を京都橘大学に改称。2017年には学園創立115周年、大学開学50周年を迎えました。文学部をはじめ、国際英語学部、発達教育学部、経済学部、経営学部、工学部、看護学部、健康科学部の8学部15学科を擁する総合大学です。2023年4月には、総合心理学部を設置します。
看護学部は、京都の4年制私立大学では初めて開設された学部で、映像・音響システムを導入して演習を行えるシミュレーション・コモンズを2020年に設置しています。集中治療室(ICU)や一般病棟、分娩室、在宅、災害時などさまざまな臨床の現場を再現し、臨場感ある中で実践的な演習が行えます。そこで学習支援に活用しているのが収録システム「Bee8Plus」、コンテンツ配信/管理/分析システム「CLEVAS」です。
システムの管理を担当する看護学科の野島敬祐准教授(看護学博士)に導入の経緯と活用について聞きました。

京都橘大学

導入製品
導入前の課題
  • 振り返り学習ができる環境を整えたい
  • どこでも学べる学習支援システムにしたい
  • シミュレーション教育のコンテンツを揃えたい
導入後の効果
  • コロナ禍でライブ映像を別棟の教室へ配信
  • マルチアングルの合成映像で学習効果をアップ
  • 注目される施設となり入学希望者にもアピール
目次

収録・配信システムが学習効果を高める振り返り学習をサポート

看護教育では、より実践力が強化され、世界的にその効果が実証されているシミュレーション教育が注目されており、実際の臨床場面をリアルに再現できる学習環境構築が可能な演習室づくりが行われています。京都橘大学の長期計画の一つ、学生の能動的な学習参加をうながすアクティブラーニングを推進する方針から、シミュレーション教育もその学習スタイルと位置づけ、2018年に設置計画をスタートし2020年3月に竣工。その翌年の4月からシミュレーション・コモンズという名称で運用を開始しました。

『シミュレーション教育によって、臨床場面をリアルに再現するということは、視覚聴覚から入ってくる情報やその場の雰囲気を学生が感じ、没入し、集中することが学習効果を高めると言われています。そのような環境をあえて作るためにシミュレーション・コモンズを設置しました。先行して設置している他大学等の中には、部屋を分けて模擬病室や模擬ナースステーション、模擬オペ室をつくり、できるだけ現場に近づけた施設もありました。看護師の活躍の場は病院だけではなくなってきていることを考えたときに、本学の場合は臨機応変に状況を展開できるようなスタイルがいいと考え、仕切りを設けないスタジオ形式にしました』

約250㎡の室内は3台プロジェクターが処置室や病室といった映像を壁面に映し出し、その背景映像の中でシミュレーター(模擬の患者さん)を使って演習。そして、その様子を天井から吊られた6台のカメラやハンディカメラで全体の様子や実習生の手元など異なるアングルで撮影します。それらの動画は「Bee8Plus」により4つまでのマルチアングル画面をリアルタイムで合成・収録します。さらに、その演習動画は学習動画共有プラットフォーム「CLEVAS」によってコンテンツとして蓄えられ、配信することが可能になります。

『今回、収録システムを検討するにあたってのポイントは、ひとつが収録動画を後から学生が何度も見返し(振り返り=デブリーフィング)ができる。次に動画を編集し教材としてオンデマンド配信ができることでした。キャンパスだけが学ぶ場所ではなくなってきている現在、学生の個々の端末に配信ができて学べることが重要になると考えています。これらを満たすシステム構築のための資金については、学部だけでなく大学全体の取り組みですので、私立大学に向けた補助金「研究設備等整備費補助金」を活用。教育研究設備に当たる「Bee8Plus」や「CLEVAS」などの収録・配信システム等の購入費と付帯する工事を含めて申請し、承認を得ることができました』

京都橘大学 看護学部看護学科
野島 敬祐 准教授(看護学博士)

3つの映像を合成したマルチアングル動画を授業でライブ配信

2020年に完成したシミュレーション・コモンズは、新型コロナによる遠隔授業対応の影響で実質的に運用が開始されたのは2021年4月からです。当時は学内の規定により30人弱の入室となり、交代で演習を行いました。解除された現在は、基本的な感染予防対策ができていれば50人まで入室が可能となっています。

『ただ、密にならない方が良いということで、科目によっては5名の学生1グループだけがシミュレーター(模擬の患者さん)を使って演習を行い、その映像を別の棟にある広い教室で、約100名の学生が6台のモニターを見ながらライブで学んでいます。「CLEVAS」によって動画配信ができるので、シミュレーション・コモンズの演習をライブで見られるのはもちろん、指導が必要と思えば、2度、3度と繰り返し再生しながらポイントの指摘を重ねます。マルチアングルの動画をつぶさに見ることにより、看護師目線、患者目線の映像によって、学生が患者に対してどのように関わっているのかがよくわかります。この動画をもとに患者への関わり方について意見を出し合い、議論を深めていくことになります。もちろん、自分自身で経験し、後で動画を見て学ぶデブリーフィングは学習効果が高いのですが、思考力を高めるのが目的の授業ではこうした動画の使い方も有効です』

教室のモニターに映し出されるマルチアングルの動画は、「Bee8Plus」の画面レイアウトを学習目標に沿って授業前に設定します。例えば、演習の実施者側から俯瞰撮影した映像と患者側目線の映像、手元のアップなど3つを合成したマルチアングルの動画画面です。一度、見ただけではポイントを見逃すことも多々あると言います。注視する動画を変えながら繰り返し見直すことで改めて気付くこともあり、別アングルの動画を一つのモニターで同時に試聴できるのは教材として効果的と話します。

『シミュレーション教育において、そのパフォーマンスを高めようと考えると、事前に学習しておくことがとても大切です。これからのことになりますが、その事前学習の動画を作り、ライブラリーとしてストックできると毎年使えると考えています。また、シミュレーションがトレーニングの役割だとすれば、先輩の演習動画を事前に見ておくことで、これからの学習活動をイメージ。学習動機を高めることで理解度の上昇に結び付けられると思います』

壁面に病室等の映像を投影できる臨場感あるシミュレーションルーム

現在、シミュレーション・コモンズの使用は、基礎看護学領域や成人看護学領域などの基礎成人系の領域で多いと言います。しかし、実際はどの領域でもシミュレーション教育は行えるとともに、救急救命学科など他学科も使い始めています。当初から想定していたように、用途を限定しないフレキシブルに対応できるスペースなので、自由に環境設定が可能なうえ、プロジェクターや収録・配信システム、そして可動式の椅子机などの備えにより、アクティブラーニング型の授業がしやすくさまざまな活動で使える場所となっています。

『壁面いっぱいに投影できるプロジェクターを備えたシミュレーション施設は、他には見当たらないと思います。とても目を引く設備です。受験生の見学の時にも評判がよく、海外からも視察に来ていますので、かなり注目をいただいていると感じています。こうしたシミュレーション教育の手法が注目される一方で、従来の学び方は変化して、時間と場所にとらわれずに学べるようになるでしょう。収録・配信システムの活用は、今後、個々の学生さんへオンデマンド配信というところに活用されると思います』

ワークフロー

USER PROFILE

教学理念

自立・共生・臨床の知

本学での学びが多角的に物事を検討し、判断し、決定できる「自立」の力を育み、世界中のさまざまな文化や経済の仕組みをもつ人々と理解しあえる「共生」の姿勢を身につけ、学内外のフィールドで学んだ成果を社会へ還元する「臨床の知」へつなげることを目標にしています。

京都橘大学 様

学長
日比野 英子
所在地
京都市山科区大宅山田町34
学部
文学部 / 国際英語学部 / 発達教育学部 / 経済学部 / 経営学部 / 工学部 / 看護学部 / 健康科学部 / 総合心理学部(※2023年4月開設)

※この記事は2022年7月現在の情報です

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