古いフィルムは復元できる?
色あせた古いフィルムを見かけることがありますが、そのフィルムはもう存在価値を無くして死んでしまったのでしょうか。
実はフィルムは死んでしまったのではなく退色しているのです。そしてフィルムの退色は復元ができるのです。
フィルムが色あせる理由
フィルムは、3つの色層が合わさって、カラ・イメージを作っていることをご存知でしょうか。フィルムは、年月が経つと、色層がそれぞれ異なる割合で退色します。この結果、カラー・キャスト(色の特徴)の際立ったイメージになり、プリントの場合、退色すると、赤に特徴が強く表れます。そして多くの場合、もとの正しい色を確立するためのリファレンスが存在しないのです。
右の写真のように典型的なプリントの退色の場合、ブルーおよびグリーンの情報がほとんど失われてしまっています。
フィルムの復元は、通常、汚れ・傷・ダメージを修復することから始めます。しかしこの処理は、カラリメトリー(色調)を直してはくれません。そこで、もとの正しい色を復元するための最初の段階として、フィルムを映像データ化するテレシネや
スキャナーにフィルムを掛け、色素情報を引き出すところから始まります。
復元方法を見てみよう
左の素材を使って色復元の処理過程を辿っていきながら、どうしたら本当の色を復元できるか、見て行きましょう。
まず、第1段階は、テレシネを使って、プリントのバランスを取ります。この段階での目標は、ブラックとホワイトのバランスを取ること、そしてより重要なのは、フィルムに残っている色素の情報をすべて抽出することにあります。(写真A、B)
テレシネ側でフィルムが最適化できたら、次はカラーコレクター(daVinci2K)を使用し、グリーンの色層の中間層感度を上げ、さらにブルーの色層のハイライト部感度を上げていきます。
退色していることを考慮すれば、ここまででプリントのイメージに可能な限り近づくことが出来た、といえるでしょう。しかし、50年前にあったであろう色の深みには、まだ欠けているようです。そこで、より細部の色のバランスを整えていきます。
こうした工程を経て、昔の色あせた古いフィルムが(写真@)から(写真C)のようになり、以前の輝きを取り戻して再生されるのです。
テレシネ・カラーコレクターの役割
このようにテレシネやカラーコレクターは、映画やコマーシャルフィルムなどの、フィルムならではの表現が求められる世界を中心に、フィルムの復元に活躍するとともに、曇天の空を晴天にといったクリエイティブな要求にもお応えする機器として活躍しています。
フィルムは退色します。退色することによりわれわれ人類自らの功績、歴史、文化の最良の記録が失われることの無いように、再生し残す。こうした役割がテレシネやカラーコレクターの存在意義のひとつでもあります。
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