光学計測フォーラム

偏光を用いて世界初の可視化やモノづくりを推進

 偏光の利用領域は未開拓であり、様々な可能性を秘めた大変魅力的な技術です。
弊社はこの技術を、これまで培ってきた高速度カメラの分野に応用し、世の中に広めることを目的として本フォーラムを立ち上げました。
偏光を用いてこれまで不可能だった高速現象の観察・解析を実現すること、それが全く新しいモノづくりのヒントになり、社会に貢献する技術として認知されることを期待しています。
弊社の専門技術だけでは限界がある研究開発も、各分野の専門技術とアイディアを持ち寄ることで、きっと実現できるはずです。
本フォーラムを通じてこういった弊社の想いに共感・賛同していただける皆さまとの繋がりを創ると共に、新たな技術交流の場として、研究開発やモノづくりの活動を盛り上げていくことができればと思って います。 ※タイトルは「光学計測フォーラム」ですが、本サイトは“偏光”を軸にした内容になっています。
敢えて”光学”という言葉を使用しているのは、弊社既存の技術である「高速度カメラ・高速度イメージセンサ」を将来的に光学計測装置へ発展させていきたいという想いからです。

偏光を使用した光学計測について

偏光とは

 あらゆる方向に振動している太陽や一般照明などの自然光に対し、振動方向が規則的な光のことを偏光と呼びます。たとえば振動が直線的な光を直線偏光、振動が螺旋を描くものを楕円偏光または円偏光と呼びます。
肉眼では見る事ができず、日常生活において意識することが少ないため、偏光を理解することは難しく感じるかもしれません。身近な例としては、魚釣用のサングラスにおいて水面の反射光をカットし、水中の魚を見通す機能として偏光が使われています。
偏光は、振幅(明るさ)、波長(色)とともに光の 3 要素であるにもかかわらず、利用方法に多くの可能性を残した貴重な性質です。特殊光学系、可視化、そして検査・計測に応用することで、新たな現象可視化・解明をもたらす有益なツールとして注目するべき要素なのです。

図1. 円偏光の振動(左)および直線偏光(右)
Z:光の伝搬方向, δ:伝搬方向に直行する面内に2成分分解した光xおよびyの位相差

図2. 右回り円偏光(画像左)、左周り円偏光(画像右)を照明したときのイシガキコガネの見え方

物体内の応力伝播と複屈折

 偏光素子とは偏光を作る、または計測するための素子です。たとえば直線偏光板は入射光から特定の方向に振動する成分だけを透過させるため、任意の振動方向の直線偏光を作ることや、任意の振動方向の偏光強度を計測することが可能です。
もっとも基本的な偏光計測方法は回転検光子と呼ばれ、サンプルを透過した光をクルクルと回転させた直線偏光板を使用し、各回転角度での光強度を計測することで、偏光状態を解析する方法です。
偏光は、サンプルを透過した時、そして反射した時に状態を変えます。したがってサンプルに入出射する偏光状態の違いを測ることで、サンプルの光学的性質や表面構造の可視化、および計測が可能になります。

図3. 透過軸計測実験
2枚の偏光子(大きい四角型、および丸型)を重ね、丸型偏光子の透過軸を回転することで得られた各光強度から四角型の偏光子の透過軸が0度(180度)近傍とわかる。

複屈折と応力分布

 複屈折とは物体内部に2つの主たる屈折率が生じる現象です。この現象は結晶を光が透過した時などに見ることができます。
複屈折の発生要因としては、形態起因、配向起因、そして構造起因がありますが、物体に作用している力が十分に強いときに応力性の複屈折が支配的となり、かつ発生する応力は複屈折に比例します。そのため、偏光を用いて複屈折を計測することで、応力分布の解析を行うことができます。応力分布を検出することは破壊や加工を制御するうえで極めて重要です。
偏光を用いて従来見えなかった動的応力分布を評価することで複雑な破壊に対する理解が高まり、安全性など製品の基本品質改善に繋げることが可能になります。

図4. 光弾性効果(樹脂の内部応力分布)

図5. 方解石(複屈折)

次世代の産学連携を担う企業として

 低コスト化と製品化速度の向上が求められる近年の技術開発では十分な研究期間を確保することが難しく、研究室や企業単独では多様化するニーズに対応できる研究・開発環境の構築も困難になってきています。
そのような背景から、弊社では偏光関連の研究開発において、他社との共同開発や分野の異なる研究者の方々と共同での応用研究(国の助成事業を含む)を実施してまいりました。そのような経験の中で、あらためて共同開発・共同研究の有用性と偏光のもつ大きな可能性を実感しています。弊社の誇る国内トップクラスの「高速度カメラ・高速度イメージセンサ」の技術を活かし、様々な専門分野の方々との共同研究を行うことで、偏光を社会に貢献する技術として育て、世の中に認知させることができればと思っています。

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