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計測用カメラの特性について
画像解像度
カメラの出力を位置情報の検出に使用する場合は、CCD等の撮像素子の解像度が重要になります。従って30万画素(VGA解像度)のカメラより、130万画素(XGA解像度)さらに200万画素、500万画素と解像度が多いほど優れていることになります。しかし反面、画素数は読み取り速度に反比例すると同時に、感度とも反比例します。
解像度と感度特性
同じ寸法のセンサーを使用した場合、センサー1画素あたりの入射光は解像度に反比例して少なくなります。センサーサイズが同一とした場合、XGA画素数センサーの1画素あたりの入射光量は、VGA画素数センサーの入射光量の1/4以下となります。全画面をモニタ上で同一サイズの画面に縮小拡大して表示した場合、両者の明るさには相違が出ないことになりますが、画素数の多い方が1画素あたりは暗くなると同時に、読み出し回路などによる1画素あたりの受光有効率(フィルファクター)が低くなります。これはS/Nの低下を意味することになり、濃度計測では不利になります。

S/N比とダイナミックレンジ
計測用カメラでは出力感度特性を、単なる出力電圧の大きさではなく、出力信号をノイズに対する比で考える必要があります。画像センサーにおけるノイズは、主にフォトンショット・ノイズ、暗電流ノイズ、読み出しノイズ、固定パターンノイズの4種類のものが存在し、それに画像センサーの出力を処理するアナログ回路のノイズが加わります。ノイズは入射光に関係せず一定のものと、入射光に応じて増加するものがあります。トータルのノイズは各ノイズの2乗を総和したものの平方根で与えられます。
フォトンショット・ノイズ
入射する光の揺らぎに起因するノイズで、不可避なものです。入射光量に応じて増加します。
暗電流ノイズ
センサーの物性的な熱雑音で、入射光量にはよらず、4図に示すようにセンサーの温度が高くなるに従って急激に増加します。ノイズが入射光量ではなく電荷の蓄積時間に応じて増加しますので、微少光を長時間露光で記録する場合に問題になります。このノイズはセンサーを冷却することで低減できます。冷却には TECと称されるペルチェ効果による電気的な冷却と、窒素ガスの気化熱を利用した冷却があります。TECによる冷却は簡便ですが、冷却温度に限界があります。またセンサーの冷却は暗電流の低減以外にほとんど効果がありません。
読出ノイズ
センサー内部での増幅等出力処理により発生するもので、CCDセンサーに対してC-MOSセンサーでは圧倒的に多くなります。またセンサーの動作周波数を高くするほど(撮影速度を高くするほど)増加します。
固定パターンノイズ(FPN)
センサーの画素間またはカラム間の感度差に起因するもので、変動することが無いため出力後の処理で補完することができます。
アナログ回路ノイズ
AD変換を行うまでのアナログ回路に混入するもので、その量は回路設計の巧拙によります。
ダイナミックレンジ
カメラの濃度分解可能域を示すもので、可能最大出力値/可能最小出力値となります。具体的には下記の式にてデシベル値として表現されます。
ダイナミックレンジ(dB)=20xlog(最大出力値/ノイズの総量値)
一般的にカタログ゙表現されているダイナミックレンジは、そのカメラが最良の環境で使用された場合の値が表記されます。
入射光に対する出力の直線性
通常、カメラの非直線性は、理想的な出力直線(ダーク時の出力と飽和時の出力を直線で結んだ直線)からの乖離(離脱)率として表現されます。従ってそのカメラ直線性は
直線性=100-乖離(離脱)率
として表現されます。
光子のシリコンへの吸収は、輝度に対して理想的な直線性を示します。従ってフォトダイオード単体の直線性は非常に優れています。
画像センサーとしての直線性は、フォトダイオードへのフォトンの受光過程、フォトダイオードから出力アンプへの搬送路の効率、出力アンプの直線性によって決まります。
フォトダイオードそのものの直線性は優れていても、電子シャッター機能の付加は微少入光量に対して非直線性の要因になり得ます。また、フォトダイオードから転送路への伝送ロスやラグ、センサー内蔵出力アンプまでの伝送路でのロス、内蔵アンプの非直線性もセンサー出力のリニアリティーを損なう要因になります。しかし一般的にセンサー出力の直線性は優れており、計測用のセンサーでは99%程度のリニアリティー即ち2%程度以内の直線離脱率であります。
センサーの直線性が濃度計測に充分受け入れられる性能を保有していても、通常のカメラでは、センサー出力を処理するアナログ回路、ADコンバーターが直線性を確保していないため、直線性が非常に悪くなっています。通常のデジタルカメラでは、この直線性をガンマカーブと称し、これを故意に非直線にすることにより、肉眼で見た時に鮮やかに見えたり、美しく見えるように変形します。また画面内の全画素に対して同一のガンマ特性を持たせるのではなく、個々の画像の状況に応じて個別画素のガンマを変更したり、RGB出力値の比率を変更することにより見た目の画像が美しくなるような処理を行います。これらの処理はカメラメーカー毎の極秘ノウハウであり、ほとんどが非公開となっております。
また現在では、センサー出力のアナログ信号処理はセンサーメーカーまたはサードパーティーが用意したチップセットと称されるASIC(専用LSI)で実行され、カメラメーカーは単にアッセンブルするだけとなっていますので、通常のカメラメーカーがカメラの直線性を設定することはほとんどできません。
計測用と称するカメラでも低価格のものはほとんどが、チップセットによるアナログ処理によるため、直線性が確保されていません。
環境温度特性
CCD画像センサーの、環境温度特性はセンサーメーカーからは公表されていません。しかしCCDは基本的にフォトダイオードのアレイであり、フォトダイオードの出力は環境温度によりドリフトします。
環境温度特性
姉妹製品の環境温度特性の傾斜がまったく反対であることには奇異な感じがしますが、かなりの温度依存性があります。 CCD画像センサーにおいても、固有の環境温度特性がありますので、濃度計測にCCDカメラを使用する場合は、このことを理解しておく必要があります。
分光感度特性
カラーセンサーの場合はIRカットフィルターが必須であることがわかります。濃度計測カメラでは、ユーザーがカメラメーカーにIRカットフィルターの要/不要を指示する必要があります。





