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導入事例

EVS HD XT[2]

株式会社フジテレビジョン様向けにEVS HD XT[2]サーバを中核としたノンリニア時差放送システムを構築。2番組同時収録、編集、送出までをハイビジョン、5.1chサラウンドで実現しました。
高い信頼性と操作性を兼ね備え、スポーツ・情報・報道・制作といった分野におけるHDノンリニアシステムサーバとして、デファクトスタンダード化が期待されます。

PDFファイルを閲覧することができます。
株式会社フジテレビジョン様 (PDFファイル 1.3MB)

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適用範囲●

スポーツ番組の時差放送において、ライブ映像を収録、ノンリニア編集を行った上で送出する“録って出し”システムを完全ハイビジョン対応で構築。

導入背景●

既存ハイビジョン対応の録って出しシステムでは高度な編集ができなかった。

複数入力、5.1サラウンドに対応でき、映像、音声の別編集が可能な機器が求められていた。

放送事故を避けるため、特に送出には高い安定性が求められていた。

導入効果●

安定した収録と編集後の即時送出を実現した。

ノンリニア編集や送出管理なども操作が容易になった。

同日2番組放送や5.1サラウンド対応が可能になった。

HD対応で高度な編集が可能な“録って出し”システムのニーズ

株式会社フジテレビジョン
技術局 制作技術センター 映像技術部
岡澤 聡 氏

放送コンテンツや受信機器など、テレビのハイビジョン(HD)化が急速に進みつつある。特に、映像ソースを扱う放送機材のHD化は急務と言える状況だ。
株式会社フジテレビジョン(以下、フジテレビ)では、05年4月から全スポーツ番組をHD化した。その中で特に困難だったのは、生中継や編集ではなく、多少遅らせて放送する時差放送で用いる「録って出し」システムであったという。時差放送は、国内外のスポーツイベントなど、開催時間と放送時間に時差がある場合に使われる放送スタイルで、収録しつつ、放送までの時間差を利用して編集を行って順次送出していくというものだ。長時間に渡るスポーツイベントを整理して、あらかじめ決められた放送枠に収めるためにも編集は欠かせない。
フジテレビ 技術局 制作技術センター映像技術部 岡澤聡氏は、同社の録って出しシステムの過去の変遷を次のように説明する。
「当社が録って出しシステムをノンリニア化したのは、1997年のお台場への本社移転がきっかけでした。それまではVTRテープを用い、テープのIN-OUTを決めてロール出しするという昔ながらの方法でした。その後、05年4月のスポーツ番組HD対応のために、既存の収録・編集システム(SONY MAV-777)を応用した録って出しシステムを構築、運用していました。しかし、このシステムは暫定的なもので、収録時間や音声チャンネル、入出力ポート数などに制限がありました」
ノンリニア化に伴い、収録から編集、送出までをサーバ上で行うようになるが、編集が容易になってきたことで、その要求もより高度なものになってきていた。
「もはや、録って出しシステムは単なる遅延送出だけではありません。制作という位置付けなのです。現場のミスを直すのはもちろん、例えばコメントに合わせたハイライトシーンの編集や、インタビュー時の背景ノイズを自然にミックスしつつ消していくような編集が求められています」(岡澤氏)

安定した収録や送出が最優先、さらに担当者の作業負担も考慮

HD録って出しシステムの選定を担当し、様々なベンダーのシステムを検討した岡澤氏は、安定性を最も重視してフォトロンの提案を選んだという。
「フォトロンのシステムは送出が安定しているという感触があります。編集したロールを安定して送出できること、そして収録がエラーなく行えることがポイントですね。他社の提案では編集機能に重点を置く反面、収録や再生のパフォーマンスを左右するディスクの安定性については不安要素が多いようです。生放送なら別カメラやスタジオに逃げられますが、録って出しシステムがトラブルを起こしたら、即座に放送事故につながります」
安定性に次いで重視したのはオペレーションの点だ。
「過去の録って出しシステムの操作環境にはいくつかの不満がありました。良いところはそのまま引き継ぎ、悪いところは新システムで改善しようと考えていたのです」と岡澤氏は言う。
「そうした考えから編集端末・送出端末ともに要求仕様を策定しましたが、ゼロに近い形からの開発にも関わらず、こちらの要求を実現できる内容だったのがフォトロンのシステムでした」

株式会社フジテレビジョン
http://www.fujitv.co.jp/
本社:東京都港区
代表取締役社長:村上光一
設立:1957年11月18日
業務内容:フジネットワーク28局のキー局として日本全国をカバーする大手放送局。現在の本社ビルは、お台場のランドマークとしても知られる。


フジテレビの録って出しシステム「T-Quick」には、EVS XT[2]サーバ5台とEVS XTサーバ2台(プレビュー用)が用いられている。EVS XTサーバは世界中の放送局で中継車に採用されているが、局内のシステムで用いられるケースは珍しい。「EVSは世界的に大きなシェアを持っており、今後さらに伸びるという展望もあります。ノンリニアサーバの標準になると思う。我々のワークフローに合わせたとき、これなら行けると思いましたね」と岡澤氏は評価する

フジテレビの録って出しシステム「T-Quick」で用いられているノンリニア編集ソフト「DCP-1000 for EVS」の画面例

編集済みのロールを選び、送出を管理する「On-Air Manager」の画面例

フジテレビ「T-Quick」システム概要

多数の番組で順調な運用、系列局などへの展開も検討中

フジテレビの現在の録って出しシステム「T-Quick」は、図のような構成だ。コンテンツを収録、送出する中枢には、すでに世界中の放送局で中継車など多数の実績があるEVS XT[2]サーバが用いられている。
T-Quickは05年11月からオンエアでの利用が開始され、06年1月までに、格闘技「K-1グランプリ決勝大会」「PRIDE男祭り」、スケート「全日本フィギュア」「全日本スプリント」「世界スプリント」、ゴルフ「ソニーオープン イン ハワイ」、2月の「トリノオリンピック2006」など、数多くの番組で使われている。3月からの「F1 グランプリ」「春の高校バレー」にも使われる予定だ。
「これまで、送出トラブルは皆無です。これは大きく評価できる点だと思います。とにかく安定性は大事ですからね。実際、大丈夫だと分かっていても、イザとなると不安はあります。HDDはテープと違って回っているのが外から見えません。だから何度も負荷をかけてテストし、『ここまでやったらダメになる』という経験をしておくようにしています」と岡澤氏は言う。
ノンリニア編集は、PCワークステーション上の「武蔵DCP-1000 for EVS」を、送出ロールの管理は「On-Air Manager」を、それぞれ採用している。ノンリニア編集はテープ編集と勝手が違う面もあるが、これらのツールの操作性に関しても岡澤氏や編集スタッフは高い評価を下している。
「編集が終わったらレンダリングなしで即座にオンエアOKなのが便利ですね。ソフトウェアは使いながら要望を出しています。編集スタッフはテープの高速なオペレーションに慣れていますので、そうした人間の感覚にシステムがより近づくよう、少しずつ改善してもらっています。まだ完璧ではないものの、ほぼ要求を満たせるレベルになったと言えるでしょう」
岡澤氏は、今後の展望を次のように語っている。
「制作現場でのHDノンリニア化はここ2〜3年の大きな流れです。情報、報道、制作といった部署でもノンリニアサーバの導入は既に検討されています。先日は情報系番組のスタッフに、このシステムのデモを見せました。この『T-Quick』は、収録から編集、送出まで完全にノンリニア化された現時点で唯一のシステムとして、今後の社内のHDシステムをノンリニア化する際の基礎になると考えています。今後は在京キー局として、系列局が同種のシステムを導入する際など、どうすればより低コストでシステムを構築できるかといった点についても考えていきます」


株式会社フォトロン

映像システム部 映像システムグループ
E-mail:digital@photron.co.jp
TEL:03-3238-2105 FAX:03-3238-2109


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